一晩集中治療室で過ごした翌朝は、両下肢の加圧ポンプも外れ、手術前に入っていた一般病室へ戻ることになりました。

たった一晩で?とちょっと面食らいましたが、H大病院では脊椎以外にも上肢下肢などなど毎日のように外科手術が行われていて、しかもわざわざ紹介状をもらって大学病院に入院してくる患者だらけとあって、集中治療室は毎日のように開けなくてはならないし、それは一般病室についても同じでした。

ここで第一の洗礼がやってきます。

メチャクチャ首が痛いのです。痛すぎて歩行器と介助つきでも、頭がわずかでも傾いたり振動したりするだけで、激痛が首に走ります。

それもそのはず、頸椎椎弓開放術の場合、首筋を縦にパックリ開いても、すぐそこに首の骨があるわけではないので、そこから無数にある首回りの筋肉(僧帽筋など)をペロッと剥がして、椎弓を露出させます。
その際の剥離作業において、筋肉が傷つきます(これには個人差があるそうです)

人間の頭部というものは相当な重量があって、首回りの筋肉でこれを支えているわけですが、デスクワークの多い現代人に肩凝りが多いのは、この頭の重さが原因なのです。

傷ついて弱っている首筋では、頭部を支えきれないわけです。

一歩歩いてはヒィヒィと泣き言を言いながら、廊下中程にある病室に辿り着きました。

同室の人が「おかえり」と出迎えてくれましたが、あまりの痛さに顔を上げることも出来ず、消え入るような声で「ただいま」と返事した後は、そのまま寝込んでしまいました。

その13につづく