8月に右肘靭帯損傷が発覚した後も、打者として出場を続けていた2023シーズンの大谷選手。

現地9月16日、エンゼルス球団は大谷選手を故障者リスト入りし、今季の残り試合を欠場すると発表しました。

現地9月19日、大谷選手は肘靭帯の手術を行い無事成功しました。

術式などは明確にされていませんが、打者として2024年開幕から、投手としては2025年シーズン中での復帰を予定しています。

大谷選手については、オフのFAでの移籍先も含め、何かと注目が集まっていますが、僕がこっそり気になっているのは「大谷ルール」についてです。


◆大谷ルールとは?

2022年シーズンより採用された

・先発投手が指名打者を兼ねる事ができる
・投手として降板したあとも指名打者としてラインナップに残る事ができる

ルールです。

大谷選手はこのルールにより投打で躍動。史上初となる「投打W規定到達」を成し遂げました。

また、「投手」「野手」の2つしかなかった選手区分に「Two-Way Player(二刀流選手)」が追加され、大谷選手はMLB史上始めてこの区分に登録される選手となりました。

二刀流選手に登録されると

・人数計算上「投手/野手」の区分から外れ、投手/野手/指名打者いずれでも制限なく出場できる(制限については後述)

・「投手」として負傷者リストに登録し、マイナーリーグの試合にリハビリ出場しながら、同時に「野手」や「指名打者」としてアクティブ・ロースターに留まって公式戦に出場することを選択できる

という2つの権利を得ることができます。


◆二刀流選手区分に入るには?

二刀流選手に登録されるためには、当該シーズンもしくは直前1シーズンにおいて、以下の条件をともに満たす必要があります。

(条件1)投手として20イニング以上投げている

(条件2)野手または指名打者として出場し、3打席以上を記録した試合が20以上ある

この条件を満たした瞬間に自動的に「二刀流選手」に認定され、上記の2つの権利を得られるようになります。

今回の手術により、2024年シーズンに登板することは不可能となりました。

そうなると(条件1)を満たせないので、2025年シーズン開幕において大谷選手は「二刀流選手」ではなく、「投手」「野手」のどちらかの区分に登録することになります。

シーズン中の「投手→野手」「野手→投手」の区分移行は出来ないので、2025年シーズンに先発投手として登板するには「投手」区分での登録となるでしょう。

ちなみに「野手」登録の場合

・延長戦
・8点以上リードされている
・9回時に10点以上リードしている

の3つ場合でしか投手をすることが出来ません。

もし「野手」区分したシーズンで、二刀流選手の条件を満たそうとすると、上記のような特殊な状況でピッチングを行い、20イニング=60個のアウトを奪う必要が出てきます。
(ちょっと現実的ではないですよね)


◆2025年開幕からリアル二刀流は不可?

2024年シーズンに登板がなければ、「二刀流選手」として登録されるのは2025年シーズン途中からとなります。

では、2025年シーズンに「投手兼指名打者」として出場する「リアル二刀流」は見られないのでしょうか?

結論から言うとリアル二刀流出場は可能です。

先程説明した「野手」登録した選手と違い、「投手」登録した選手は、制限なく野手や指名打者として出場することが可能

投手として先発・リリーフとして登板することはもちろんのこと、前述の「先発投手兼指名打者」として出場もできます

ですので、2025年シーズンは「投手」として登録し、上記の「二刀流選手」の条件クリアを目指すことになるでしょう。

一つ異なる点は、MLBルールではアクティブ・ロースター(26人枠)において、投手枠13人と決まっていますので、これまで二年間エンゼルスが敷いていた布陣(投手13人、野手12人、二刀流1人)が出来ないということです。

簡単に言うと、大谷選手が二刀流選手区分の条件を満たすまでは

投手・・・大谷+12人
野手・・・13人


で戦うことになります。

2025年からスタートする予定の実戦での登板は、いきなり100球とかではなく、ソフトランディングになるでしょう。

とはいえ打者として20試合出場し、投手として20イニング投げれば良いので、遅くとも登板復帰後1ヶ月半〜2ヶ月でクリアできると思います。

もう一つ些細な点ではありますが、「投手区分」時には
二刀流選手の特権である「打者としてメジャーでプレーしながら、投手としてIL入りしてマイナーでリハビリ登板をする」
事ができないので、「投手・大谷」は実戦での調整となりそうです。


◆まとめ

・肘靭帯の手術を行った大谷選手が、2024年シーズンを野手に専念すると、2025年開幕時には「投手」登録になる。

・2025年シーズンの当該チームのアクティブ・ロースターの投手枠は残り12人となる。

・「投手兼指名打者」としてリアル二刀流出場するのは投手登録のままでも可能。

・シーズン中に投打の条件を満たせば、二刀流選手区分に自動的に移行される。


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