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打者専念となった2024年シーズンも50本塁打・50盗塁など、圧倒的な成績でトームを世界一に導いたドジャース・大谷翔平選手。

二刀流復活となる2025年シーズンは一体どんな活躍を見せてくれるでしょうか?

そこで気になるのが


開幕から実戦登板できるの?


という回復の進捗具合でしょう。

ということで、23年の怪我の発覚→手術から24年のリハビリ状況などを記録していきたいと思います。


<目次>
◆大谷翔平、肘靭帯損傷・左肩亜脱臼から手術のタイムテーブル記録
(怪我の経緯、手術、リハビリから過去の故障歴まで)
◆大谷翔平は2025年開幕からリアル二刀流出場できる?できない?
(大谷ルール、東京Dシリーズの登板など)
◆大谷翔平・二刀流復活のまとめ







◆大谷翔平、肘靭帯損傷・左肩亜脱臼から手術のタイムテーブル記録




・'23年9月19日午前中に右ひじの手術→成功

現地9月19日、エンゼルスの大谷翔平選手が、損傷した右肘靭帯の手術を受けたことを代理人のネズ・バレロ氏が発表しました。

また大谷選手自身もインスタグラムで

「早朝に手術を受け無事成功しました。不本意ながらシーズン途中でチームを離れることになりましたが残り試合のチームの勝利を祈りつつ、自分自身一日でも早くグラウンドに戻れるように頑張ります」

と日本語と英語で投稿しました。

執刀医は2018年と同じくロサンゼルス市内の「カーラン・ジョーブ・クリニック」のニール・エラトロッシュ医師。

エラトロッシュ医師は

「翔平と検討した結果、最終的なプランは当面の問題箇所を修復し、右肘の寿命を延ばすために生存可能な組織を追加しながら、適切な位置に健康なじん帯を強化することだった」

と発表した上で

「完全な回復を期待している。24年の開幕に制限なく打撃を行う準備ができており、25年には投打両方でプレーすることができる」

と予想しています。

エンゼルス球団

「最終的な決断と手術の種類は全体像に重きを置いた。
ショウヘイは今後、何年も二刀流を継続するためにあらゆる方向性を確保したいと考えた。
彼は休んでいて元気で、回復への道を進むことに興奮している」

と発表。

翌20日、エンゼルスのフィル・ネビン監督(当時)も

「先ほどイッペイと話した。ショウヘイの様子を確認しているが、彼は元気だ。今は回復段階だが、プレーを再開するのが楽しみだ」

と大谷選手本人とは話せなかったが、水原一平通訳と電話連絡し、術後の経過が順調だと明かしました。



・手術の内容は「人工靭帯とのハイブリッド型か?」



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画像引用:スポニチAnnex



今回大谷選手が受けた手術は、2018年に受けたトミー・ジョン手術ではないと予想されています。

エラトロッシュ医師の発表で「生存可能な組織を追加」とあることから、恐らくインターナル・ブレースと呼ばれる人工靭帯を使用したと思われます。


インターナル・ブレースはコラーゲンを含んだポリエチレン製の人工繊維のことで、最短約6カ月と術後の復帰が早いことがメリット。

かつては膝の靭帯手術に人工靭帯が使われていましたが、被験者が少なく副作用などのデメリットは未知数です。


さらに「適切な位置に健康なじん帯を強化」とも表現されており、これまでのトミージョン式インターナル・ブレースを組み合わせた「ハイブリッド型」と呼ばれる術式ではないか?と予想されています。


「ハイブリッド型」は、「インターナル・ブレースのみ」最短約6カ月には及びませんが、旧来の「トミー・ジョン手術」約18カ月~24カ月と比較して、約14カ月~24カ月と復帰時期は若干早まる模様。

2021年9月には現ツインズの前田健太投手が日本人として初めてこの手術を行い、約19か月後の2023年4月に復帰登板を果たしています。

(追記)2024年3月14日、執刀医がAP通信の取材に応じ、9月の手術は「ハイブリッド型」だったと明言。

他部位の腱移植(旧来のトミー・ジョン手術)と人工靭帯(インターナル・ブレース)。

手術から約1年後となる2024年9月には実戦形式の投球練習が開始する予定とも。
→実際にはポストシーズンでのパフォーマンスを優先したため、ブルペン投球までに留まりました。



・肘靱帯損傷発覚からの流れ
日時は現地時間


23年8月23日
レッズ戦Wヘッダー第1試合に登板し2回1死で緊急降板。球団側は「右腕の疲労」と発表
Wヘッダー第2試合にDHとして先発出場。
試合後、ミナシアンGMが右肘靭帯損傷を明かし、今季の登板がないと発表。

9月19日
午前中にロサンゼルスで患部の手術を行い成功したことを発表。(術式不明)

9月30日
現地最終シリーズとなったアスレチックス戦で行われたチームMVPの表彰式に参加。
翌日の最終戦でもベンチに姿を表しチームメイトと触れ合う。個人会見はなし。

12月9日
自身のSNSでロサンゼルス・ドジャースと10年7億ドルで契約したことを発表。

12月14日
ドジャースタジアムで入団会見を行い、質疑応答の中で「前回とは違う術式だったこと」を明らかにした。

詳しい術式内容については「専門家ではないので執刀医に」と返答するに留めた。

この時点ですでに素振りが出来るまで回復しており、開幕打者としての復活出場の目処が立っていると語った。

24年3月14日
執刀医のニール・エラトロッシュ氏がハイブリッド式(インターナル・ブレイス)のTJ手術だったと明言。







・左肩亜脱臼による手術
日時は現地時間

2024年10月26日
ニューヨーク・ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦。7回裏に四球で出塁した大谷選手が二盗を試みるもアウトに。

滑り込んだ際に左手を地面についたことで、左肩を亜脱臼。
この試合は退きましたが、翌々日の第3戦から優勝を決めた第5戦まで先発出場しました。


11月8日
11/5に負傷した左肩亜脱臼の手術を受けたことを球団が発表。

執刀医はこれまで同様ニール・エラトロッシュ氏で、検査の結果「肩関節唇の亀裂」が見つかったため、これを内視鏡手術で縫合した。

2月から始まるスプリングトレーニングには間に合う見込み。

ゴームズGMが、大谷選手が再びマウンドに上がる時期について「いつまでに間に合わせるとか、無理に期限を設定するつもりはない」と言及。

リハビリを慎重に進めながら状態を確認していく姿勢を示し、ポストシーズンでのパフォーマンスを重視するとしました。

これにより来年3月行われるシカゴ・カブスとの東京シリーズでは二刀流プレーが見られない可能性が高くなりました。

11月21日
MVP受賞のリモート出演で「肩の手術の抜糸を終えたばかり、体幹と下半身のトレーニングを開始する」と明かしました。

12月4日(日本時間)
訪日したロバーツ監督が、二刀流での来季開幕の可能性について「そうなるとは思わない。打者での出場を期待している。1年間どれだけ投げられるか、管理しないといけない。仮に3月に投げたとしたら、10月まで持たない」とコメント。

2025年1月5日(日本時間)
ロバーツ監督が「5月までは投げさせない」と名言。スポーツ報知での栗山監督との対談で。



・MLBデビューからこれまでの故障と治療


(2018年)大谷選手はメジャーデビューとなった2018年にも、右肘を故障し治療を行っています。

6月7日
右肘側副靭帯に2度の損傷が見つかり、多血小板血漿(PRP)注射幹細胞注射の治療を受ける(翌6/8に10日間の故障者リスト入り)

7月3日
DHで打者として復帰(マリナーズ戦)

9月2日
復帰登板(アストロズ戦)

9月5日
右肘靭帯に新たな損傷が見つかる

10月1日
トミージョン手術を受ける


(2019年)翌2019年は、投手としてはリハビリを続けながら打者として出場。
チームのプレーオフ出場消滅と同時に、先天性の分裂膝蓋骨の手術を受けシーズンを終了。

5月7日
打者として復帰(タイガース戦)

9月13日
分裂膝蓋骨の手術を受ける。(全治8〜12週間)


(2020年)新型コロナウィルスの影響で開幕が7月下旬となった2020年シーズン。
二度目の登板後に右肘靭帯を覆う筋肉を故障。

7月26日
復帰登板(アスレチックス戦)

8月2日
復帰後二度目の登板(アストロズ戦)1回1/3で降板

8月3日
右屈曲回内筋群の損傷(投球再開まで4~6週間)と診断され、同年中の登板は終了


(2021年)二刀流イヤーとなった2021年に投打で躍動。MVPを受賞しました。

4月4日
「2番・投手」で、自身初のリアル二刀流での先発登板(ホワイトソックス戦)







◆大谷翔平は2025年開幕からリアル二刀流出場できる?できない?



大谷選手については、オフのFAでの移籍先も含め、何かと注目が集まっていますが、僕がこっそり気になっているのは「大谷ルール」についてです。


・大谷ルールとは?


大谷ルールとは、2022年シーズンより採用された

・先発投手が指名打者を兼ねる事ができる

・投手として降板したあとも指名打者としてラインナップに残る事ができる

というルールです。

大谷選手はこのルールにより投打で躍動。

2022年には、史上初となる「投打W規定到達」を成し遂げました。

また、「投手」「野手」の2つしかなかった選手区分に「Two-Way Player(二刀流選手)」が追加され、大谷選手はMLB史上始めてこの区分に登録される選手となりました。

二刀流選手に登録されると

・人数計算上「投手/野手」の区分から外れ、投手/野手/指名打者いずれでも制限なく出場できる(制限については後述)

・「投手」として負傷者リストに登録し、マイナーリーグの試合にリハビリ出場しながら、同時に「野手」や「指名打者」としてアクティブ・ロースターに留まって公式戦に出場することを選択できる

という2つの権利を得ることができます。



・二刀流選手区分に入るには?

二刀流選手に登録されるためには、当該シーズンもしくは直前1シーズンにおいて、以下の条件をともに満たす必要があります。

(条件1)投手として20イニング以上投げている

(条件2)野手または指名打者として出場し、3打席以上を記録した試合が20以上ある

この条件を満たした瞬間に自動的に「二刀流選手」に認定され、上記の2つの権利を得られるようになります。

今回の手術により、2024年シーズンに登板することは不可能となりました。

そうなると(条件1)を満たせないので、2025年シーズン開幕において大谷選手は「二刀流選手」ではなく、「投手」「野手」のどちらかの区分に登録することになります。

シーズン中の「投手→野手」「野手→投手」の区分移行は出来ないので、2025年シーズンに先発投手として登板するには「投手」区分での登録となるでしょう。

ちなみに「野手」登録の場合

・延長戦
・8点以上リードされている
・9回時に10点以上リードしている

の3つ場合でしか投手をすることが出来ません。

もし「野手」区分したシーズンで、二刀流選手の条件を満たそうとすると、上記のような特殊な状況でピッチングを行い、20イニング=60個のアウトを奪う必要が出てきます。
(ちょっと現実的ではないですよね)







・2025年開幕からリアル二刀流は不可?

2024年シーズンに登板がなければ、「二刀流選手」として登録されるのは2025年シーズン途中からとなります。

では、2025年シーズンに「投手兼指名打者」として出場する「リアル二刀流」は見られないのでしょうか?


結論から言うとリアル二刀流出場は可能です。


先程説明した「野手」登録した選手と違い、「投手」登録した選手は、制限なく野手や指名打者として出場することが可能


投手として先発・リリーフとして登板することはもちろんのこと、前述の「先発投手兼指名打者」として出場もできます。


ですので、2025年シーズンは「投手」として登録し、上記の「二刀流選手」の条件クリアを目指すことになるでしょう。


一つ異なる点は、MLBルールではアクティブ・ロースター(26人枠)において、投手枠13人と決まっていますので、22・23年シーズンにエンゼルスが敷いていた布陣(投手13人、野手12人、二刀流1人)が(開幕時には)出来ないということです。


簡単に言うと、大谷選手が二刀流選手区分の条件を満たすまでは

投手・・・大谷+12人
野手・・・13人


で戦うことになります。


2025年からスタートする予定の実戦での登板は、いきなり100球とかではなく、ソフトランディングになるでしょう。

とはいえ打者として20試合出場し、投手として20イニング投げれば良いので、遅くとも登板復帰後1ヶ月半〜2ヶ月でクリアできると思います。


もう一つ些細な点ではありますが、「投手区分」時には

二刀流選手の特権である「打者としてメジャーでプレーしながら、投手としてIL入りしてマイナーでリハビリ登板をする」事ができないので、「投手・大谷」は実戦での調整となりそうです。






・東京ドーム開幕シリーズで投げる?投げない?

結論から言うと「相当難しい」と言わざるを得ません。

ポストシーズンでのパフォーマンス優先に加え、ワールドシリーズで痛めた左肩の手術も行いました。

ただでさえ遅れていたものが、術後安静期間のため、想定よりも投球リハビリのタイムテーブルが後ろ倒しになっていることが考えられます。

そのため、3月に行われる日本開幕シリーズでの大谷選手の登板は難しいだろうと言われています。

またドジャースとしても、来秋のシーズン終盤〜10月のポストシーズンに照準を合わせてほしいでしょうから、無理して3月に間に合わせるようなことは望まないでしょう。

もし東京Dシリーズがオープン戦だったなら1~2イニング投球する可能性は十分にあったとも言えます。







◆大谷翔平・二刀流復活のまとめ



・2024年シーズンは登板せずに野手専念となったため、2025年開幕時には「投手」登録になる。

・2025年シーズンの当該チームのアクティブ・ロースターの投手枠は残り12人となる。(大谷選手が二刀流区分になるまで)

・「投手兼指名打者」としてリアル二刀流出場するのは投手登録のままでも可能。

・シーズン中に投打の条件を満たせば、二刀流選手区分に自動的に移行される。

・3月の日本開幕東京シリーズでの登板はかなり低い。(ロバーツ監督が否定)











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