一足早く今季のプレーを終了したロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手。
投手として10勝、167奪三振、防御率3.14、打者として打率.304、44本塁打、95打点、20盗塁、OPS1.066と圧巻の成績を収めました。
(圧巻の4月)投打キャリアハイの開幕ダッシュ!)
WBC制覇の余韻も冷めやらぬまま迎えた2023年シーズン。
大谷選手は投打においてキャリアハイの開幕ダッシュを見せてくれました。
2年連続開幕投手を務めた3月30日のアスレチックス戦では、勝ち星こそつきませんでしたが、6回10奪三振無失点と圧巻のピッチング。
4月5日マリナーズ戦で6回8奪三振1失点の快投で1勝目をあげると、11日ナショナルズ戦では7回6奪三振無失点で2勝目。
雨天中断で降板となった17日のレッドソックス戦から中3日で登板した21日のロイヤルズ戦では、7回11奪三振無失点で3勝目。
4月最終登板となった27日アスレチックス戦では5失点と突如乱れる場面もありましたが、6回8奪三振で4勝目をあげました。
開幕からここまで中5日で回り、投球回数を34回と大きく伸ばし、46奪三振、防御率1.85、WHIP0.82と好成績をマーク。
特に被打率1.02は驚異的で、1916年以降に30回以上投げた投手の中で、シーズン最初の6先発登板におけるMLB記録を更新しました。
また「打者・大谷」としても見どころ満載。
4月6日アスレティックス戦でのテイラー・ウォード選手、マイク・トラウト選手との三者連続ホームラン。
18日ヤンキース戦でのヤンキー・スタジアム開場100周年記念日に放った打球初速188キロの弾丸アーチ。
27日アスレチックス戦でのあわや2度目のサイクル安打と、ファンの印象に残る1ヶ月となりました。
締めくくりとなった4月30日の敵地ブルワーズ戦では、「史上最高角度」の特大弾で、スタジアムの観客を魅了。
3回二死走者なしの場面で、元ソフトバンクのコリン・レイ投手のカットボールを強振すると、打球は高々と舞い上がりゆっくりとバックスクリーン右へ。
4試合ぶりとなった7号ソロは、打球速度114.3マイル(約183.9キロ)、飛距離413フィート(約125.9メートル)の超高弾道ムーンショットとなりました。
データ解析ツール『スタットキャスト』導入以来、最高角度39度のホームラン。さらにその最高到達点は驚きの50メートルです。
あらためて大谷選手の規格外のパワーに、世界中が驚かされました。
(6/12)同点19号&決勝20号弾:対レンジャース戦
6月に入ると「打者・大谷」が覚醒。27試合で打率.394、15本塁打、OPS1.444の大活躍で月間MVPを受賞しました。
その異次元のパフォーマンスを象徴する試合が、6月12日の敵地テキサス・レンジャーズ戦。
「2番・DH」で先発出場した大谷選手は、同点弾、勝ち越し弾と1試合2本塁打を放ち、チームの逆転勝利に貢献しました。
まずは4-5と1点リードされて迎えた7回。
1死走者なしの場面で第4打席に入った大谷選手は、グラント・アンダーソン投手の2球目の速球を強振。
打った瞬間にスタンドインを確信した大谷選手は、打球の行方を見つめながら華麗にバットフリップ。
飛距離459フィート(約139.9メートル)、打球速度114.1マイル(約183.6キロ)の凄まじい一発は、あっという間に中堅手の頭上を超え、バックスクリーン右の二階席に着弾しました。
さらにタイブレークで無死二塁から始まる延長戦、12回先頭で打席に立つと、相手左腕コール・ラガンズ投手の高めカットボールを今度は逆方向へ。
軽くこづいたように見えた打球はグングンと伸び、レフトスタンドに突き刺さる20号の勝ち越し2ランとなりました。
大接戦に終止符を打つ逆方向弾に敵地が騒然とする中、大谷選手は両手を広げながらダイヤモンドを回ると、スタンドを指差して喜びを表現。
この日2度めの兜セレブレーションで、興奮したチームメイトたちからベンチで手洗い祝福を受けました。
(6/27)二刀流の真骨頂!10奪三振&2ホーマー:ホワイトソックス戦
絶好調の6月からはもう一つ。投打で異次元のパフォーマンスを披露した6月27日の対ホワイトソックス戦です。
「2番・投手兼DH」でリアル二刀流で出場した大谷選手は、初回のマウンドを危なげなく三者凡退に抑えます。
その裏一死走者なしの場面で、この日最初の打席に立つと、マイケル・コペック投手の95マイル(約152.9キロ)をフルスイング。
快音を響かせた打球は、打球速度110.8マイル(約178.3キロ)、角度35度、飛距離418フィート(約127.4メートル)で右中間スタンドに飛び込む、先制の豪快ソロホームランとなりました。
先程三振に斬ってとったロバートJr.選手の頭上を遥か飛び越える27号アーチに、本拠地エンゼル・スタジアムの観客も総立ち。
自らを援護する先制HRを放った大谷選手は、この後のマウンドでも躍動。
2回1死三塁のピンチを2者連続三振で切り抜けると、3回、4回、5回と二塁を踏ませぬ投球で、相手打線を完全に封じ込めます。
6回には1死一、二塁のピンチを招きますが、ここでもギアを上げ、後続を連続三振で切り抜けました。
7回途中で爪が割れるアクシデントのため降板となりましたが、その直後。
7回一死、カウント1-1から投じられたトゥーキー・トゥーサン投手の外へ落ちるスプリットをタイミングをずらされながらも、すくい上げるように逆方向へ。
最後は右手一本で合わせたスイングながら、打球は左中間にぐんぐん伸びてスタンドイン。
飛距離404フィート(123.1メートル)の打球は初回のホームランとはひと味違う技ありの一発となりました。
投げては10奪三振、打っては2本塁打。リアル二刀流での八面六臂の活躍に、実況席も驚天動地の大騒ぎ。
(7/15〜17)3戦連続!サヨナラ呼び込む33号、意地の34号、雄叫びあげる35号)
巻き返しを図って臨んだオールスター明けの同地区アストロズとの三連戦。
初戦を落とし、翌7月15日の第2戦も、リリーフ陣が捕まり、9回の時点で3点のリードを許していました。
先頭で打席に入った大谷選手は、絶対的守護神のライアン・プレスリー投手の1-1からの高速スライダーを強振。
完ぺきにとらえられた打球は、打球速度103.5マイル(約166.63キロ)でセンター方向に舞い上がり、バックスクリーン左に着弾。
不動のクローザーを打ち砕いた33号弾に、球場のファンは狂喜乱舞。
大谷選手の一撃が呼び水となり、エンゼルスが大逆転勝利を収めました。
1勝1敗のタイとなった対アストロズとの第3戦。
2点ビハインドの最終回、前夜に続いてまたしても大谷選手が意地の一発を放ちます。
相手4番手フィル・メイトン投手の初球フォーシームを捉えた打球は、センター方向に舞い上がり、打球速度105.4マイル(約169.6キロ)、打球角度27度、飛距離411フィート(約125.3メートル)の豪快弾。
さらに二夜連続弾を放った翌日の7月17日、本拠地で行われた対ニューヨーク・ヤンキース戦において、「2番・DH」で先発出場。
2点ビハインドの7回、2死一塁で迎えた第4打席、相手2番手のマイケル・キング投手の4球目のフォーシームをジャストミート。
打球速度106.5マイル(171.3キロ)、飛距離403フィート(122.8メートル)を計測する会心の一撃は、左中間スタンドに飛び込む35号2ランとなり、試合を振り出しに。
打った瞬間それを確信したのか大谷選手は、ゆっくりと歩きながら打球の行方を見つめると、くるくるっと華麗なバットフリップを披露。
一塁ベースを過ぎたところでは、渾身のガッツポーズと雄叫びをあげて感情を爆発させました。
千両役者の連日弾にスタジアムもベンチも狂喜乱舞。
勢いに乗ったエンゼルスは、延長10回裏、代打マイケル・ステファーニック選手のサヨナラ打で、ヤンキースとの初戦を制しました。
この日大谷選手は第1打席でシングルヒット、第2打席でツーベースヒットを放ち、そして第4打席は今季初となる3試合連続ホームランで、サイクルヒット王手。
(7/27)野球史に燦然と輝く伝説のWヘッダー!対タイガース戦)
この日は大谷選手が史上最高の野球選手であることを世界中に証明した一日として、未来永劫語り継がれるに違いありません。
タイガースとのダブルヘッダー第1戦。
「2番・投手兼DH」で投打二刀流出場した大谷選手は無双とも言える圧巻のマウンドさばきを見せつけます。
4回まで打者12人に対し一人の出塁も許さぬパーフェクトピッチングを披露。
その後5回先頭の4番ケリー・カーペンター選手に安打を許したものの、併殺で切り抜け、6回、7回、8回とゼロを並べ続けます。
9回もマウンドに上った背番号17は、最終回も三者凡退に打ち取り、自身メジャー初となる完投&完封で今季9勝目をあげました。
9回、111球、8奪三振、打者29人に対して許した安打はわずか1本。もしも5回のカーペンター選手のヒットがなければノーヒットノーランという完ぺきな内容でした。
この日はダブルヘッダーでの開催のため、第1試合終了のわずか44分後に第2試合がスタート。
大谷選手は、さも当然のように「2番・DH」と上位打線に名を連ねて先発出場。
3点リードで迎えた2回2死一塁の場面。
相手先発マット・マニング投手が投じた94.2マイル(約151.6キロ)のフォーシームを捉えた打球は逆方向にぐんぐん伸びて、左翼スタンドへ、
打球速度107・6マイル(約173キロ)、飛距離383フィート(約117メートル)と15打席ぶりの37号2ランホームランとなりました。
続く第3打席。同じくマニング投手のフォーシームを、今度は思い切って振り抜くと、打球は右翼方向へ一直線。
打球速度116・9マイル(約188キロ)、飛距離435フィート(約133メートル)、打球角度22度のライナー弾はあっという間にスタンドイン。2打席連続となる38号ソロ本塁打となりました。
(8/23)単独トップ44号と塁上の笑顔:対レッズ戦
大谷選手が魅せてくれたスーパー・パフォーマンスはまだまだたくさんありますが、最後にご紹介したいのが今季最後のリアル二刀流登板となった8月23日のレッズ戦。
この日「2番・投手兼DH」で先発出場した大谷選手は初回、アンドリュー・アボット投手の初球を捉えると、両リーグ単独トップに躍り出る44号2ランを放ちます。
しかし、続く2回表に1死を取ったあと緊急降板。更にその後の打席でも代打が送られ、試合から完全に退いてしまいました。
日米のファンから心配する声が上がる中、球団からは腕の疲労と発表され、続くダブルヘッダー第2試合でも「2番・DH」でスタメン出場。
第3打席では二塁打を放ちました。
すると、レッズの内野陣が塁上のスーパースターの周りに集まってきます。
今季売出し中の遊撃手、エリー・デラクルーズ選手は大谷選手に歩み寄り、笑顔で大谷選手の肩をツンツン。
投打でメジャーを席巻する二刀流スターが実在するのか?デラクルーズ選手も半信半疑だったのでしょう。
その後、二人は満面の笑顔で会話を楽しんでいました。
大谷選手は検査で右肘靭帯が見つかった直後でしたが、もちろんレッズの選手たちは愚か、スタジアムの観客も、その事を知る人はいません。
二刀流選手としてのキャリアに黄色信号が点った状況下で、試合に出場し、さらに相手チームの選手と笑顔でコミュニケーション。
このフランクな人柄と、後ろを一切振り返らないポジティブさの中に、大谷翔平の魅力が詰まっているのです。
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