◆トラウト「信じられない1年だった」
現地9月25日、左手首の痛みで今季終了を決断したトラウト選手が取材に応じ、ケガや移籍、そして大谷選手に対する思いを語りました。
今季中盤、左手有鉤骨を骨折し、8月に復帰後も再度故障者リスト入りしたトラウト選手は
「本当にがっかり。だいぶ良くなったけど...早く戻りたいと無理をしたけど、チームメイトらと一緒に戦いたかったとても辛いよ」
と声を震わせながら悔しさを語りました。
一部メディアが、トラウト選手にトレードの意思があれば、球団が応じる可能性があると報じていることについては
「(球団とは)毎年、話し合っている。今年だけではないよ。過去13シーズンやってきたことと同じことをしている。オフシーズンに入り、頭を整理し、春にエンゼルスのユニホームを着る」
と改めて移籍の噂を否定。
話題が大谷選手に移ると
「前もそうだったけど、投げられなくてもショウヘイは打つことが出来る。
彼はどんなときでもプレーしたいと考えていている。
脇腹の痛みでプレーできなくなったけど、それでも今年は信じられない1年だった。見ていて楽しかった。
テキサスとのシリーズだったかな?アッパーデッキのホームランとか、あんなの見たことがないよ」
と振り返り、今季の大谷選手のプレーを絶賛。復活にエールを送りました。
記者から「FAとなるオオタニを引き止めるために、彼と話すか?」と問われたトラウト選手は
「話をするつもりだよ。みんなに、『彼はどこへ行くの?』って聞かれるけど、分からない。
彼次第だから、彼に聞いたほうがいい。最終的には彼の判断だからね。
まだ、ショウヘイからは何も聞いていない。
チームメイトとしては、彼をそっとしておいてやりたい。これは彼の決断なんだ。彼は自分にとって正しい決断をするだろう」
と返答し、右肘の手術から間もない盟友を気遣いました。
トラウト選手は大谷選手がメジャー挑戦して以来、お手本としてきた頼れる兄貴分。
トラウト選手も「彼にここに残ってもらうように常に努めるよ」と共にエンゼルスでプレーし続けることを望んでいました。
インタビュー冒頭でトラウト選手が見せた涙は、野球の出来ない辛さや不本意な結果に終わった悔しさだけではないでしょう。
メジャー最強の呼び声高い「トラウタニ・コンビ」を、来季以降もアナハイムで見ることができるのか?
ファン以上に願っているのはトラウト選手かもしれません。
◆サンドバル「まさに生きる教材だ。とにかく良い友人だよ」
9月4日の試合前練習で右脇腹を痛め、出場を模索していましたが、現地9月16日に故障者リスト入りし今季のプレーを終えました。
米スポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』は
「金曜日の夜、エンゼルスタジアムでオオタニのロッカーが空になっている光景は衝撃だった。
それは全ての野球ファンや世界中のオオタニの熱狂的ファンにとってだけではなかった」
とした上で
「クラブハウスに戻ってきたチームの人たちにとっても衝撃だった」
と選手たちにとっても驚きが大きかったことを伝えました。
ロッカールームが大谷選手の隣のパトリック・サンドバル投手は
「ショウヘイの持ち物がなくなっているのは不思議な感じがする。(離脱して)彼がいなくなるのはただただ寂しいよ」
と心境を吐露し
「(残り試合の欠場は)残念なことだ。
でも彼が成長し、一流の選手になっていくのを見られたのは一種の光栄だった。
彼はいつだってフレンドリーで、いつも僕と野球の話をしていた。
まさに生きる教材だ。とにかく良い友人だよ」
と球界を代表する野球選手に成長した大谷選手と過ごした日々を振り返りました。
今年3月のWBCではメキシコ代表として大谷選手ら侍ジャパンとも対戦したサンドバル投手は
「いろいろなことを学んだ。準備の仕方や、毎日の体調管理、トレーニング。とてもプロフェッショナルで、すごく尊敬しているよ」
と大谷選手から吸収したことについても触れ、改めてリスペクトを送りました。
◆エステベス「毎日より良くなろうとする努力は本当に素晴らしい」
◆エステベス「毎日より良くなろうとする努力は本当に素晴らしい」
今季エンゼルスのリリーフエースとして躍進を遂げたカルロス・エステベス投手は、その時の衝撃を語っています。
試合序盤はロッカールーム近くにいることも多いエステベス投手は、今まさに大谷選手が荷造りをしている場面を目の当たりにしたそうで
「ショウヘイに聞いたんだ。『なぁ、いったいどうしたんだ?』とね。そして彼は今誰もが知ったようなことを教えてくれた」
と大谷選手とのベンチ裏でのやり取りを明かし
「ショウヘイは本気で復帰しようとしていたんだ。僕は彼に言ったんだ。『君がやっていることを本当に尊敬する』って。
彼が毎日より良くなろうとする努力は本当に素晴らしい。僕はこれからもかわらず彼をリスペクトし続けるよ」
と大谷選手の熱意と努力に改めて敬意を表しました。
「大谷は二刀流選手として再びプレーできるか?」という報道陣の問いには
「もちろんだ。そう思う。これからも長い間...あと10年は続けられるだろう。
彼がどれだけ良い人間で、ここまでどれだけ努力をしてきたか。彼は二刀流を続けていきたいと強く望んでいると思う」
と復活にエールを送りました。
今夏の球宴に大谷選手とともに出場し、日本の人気漫画「ドラゴンボールZ」などの話題に花を咲かせるなど、交友を温めていたエステベス投手は
「ショウヘイは本当に、本当にファニー(面白い)で、普段からアニメやゲームの話をしている。
そして、どれだけ活躍しても変わらずに謙虚。
彼がどれほど優れた選手か彼本人にもっと知ってもらいたいと思っているよ。
できるだけ長くチームメイトでいたい」
と本音をのぞかせました。
◆オホッピー「当たり前じゃない日々。僕は幸せだった」
不動の正捕手になれると期待されているローガン・オホッピー選手は
「彼とのプレーは僕にとって当たり前のことじゃなかった」
と大谷選手への想いを語っています。
オホッピー選手は開幕戦では大谷選手とバッテリーを組みましたが、4月後半に左肩関節唇を痛め離脱。
リハビリ中にもチームに帯同し、自らのスキルアップに務めました。
オホッピー選手は
「オオタニが投げているときに、キャッチャーとしてグラウンドに戻れないのはつらかった。
ただ、最前列で彼の活躍を見ることができて幸せだった。そして、彼の最高の姿も見ることができて感謝しているよ」
と大谷選手との「当たり前ではない日々」を振り返りました。
今季のプレーを終了した大谷選手に対しては
「出場すべき選手がいないと、それは変な感じだよ。慣れないことだし、慣れたくない」
と寂しさを滲ませました。
開幕前の春季キャンプから関係を深めてきたオホッピー選手。
「オオタニは素晴らしい人。彼からは多くのことを学んだ。
プロとしてどのように野球に取り組むべきか。彼は、あらゆる意味でプロフェッショナルだった。
全員に同じように接し、僕を10年目の選手のように扱ってくれた。そうする必要はないのにだよ?本当に感謝しているよ」
と感謝の言葉を口にしました。
球史に残る二刀流スターとのかけがえのない時間は大きな財産となったに違いありません。
◆ネト「オオタニから何本も動画が届いた」
試合に出られずともチームに尽くす献身的な姿勢は変わりません。
9月17日に行われた本拠地でのタイガース戦では、前日に続いて2試合連続でベンチ入り。
二刀流スターを一目見ようとスタジアムのファンがダッグアウト近くに詰めかける中、大谷選手がチームメイトにアドバイスを送る姿も見られました。
特に新人のザック・ネト選手には熱のこもったコーチぶりで、身振り手振りを交えて打撃の助言を送っていました。
この姿勢を地元放送局『バリースポーツ・ウエスト』も絶賛。
同局のレポーターを務めるケント・フレンチ氏が
「(大谷の存在は)ファンにとって大きなことですが、チームメートにとっても大きなこと。最高の選手からアドバイスを貰うことができた」
と指導がもたらす効果を高く評価すると、元エンゼルスのギャレット・アンダーソン氏も
「間違いなく言うことを聞きたい人ですね。
なぜなら、オオタニはどこにでも打てるから。多くのことをアドバイスできるでしょう」
と実績十分な大谷選手の指導の“説得力”に納得の様子でした。
現地9月19日、敵地で行われたレイズ戦では、大谷選手からアドバイスを受けたネト選手が、復活のホームランを放ちました。
「(ネトは)本当にいい活躍をしています。メジャーで持ちこたえていると思います。
毎日試合に出て、経験を積んで。息子の持ち味でもある、楽しみながらプレーすることができていると思います」
と語ってくれたのはネト選手の父・ホアキンさん。
ネト選手の地元フロリダで行われたこの日の試合には、家族や親戚、友人ら52人が集結し、熱い声援を送りました。
ホアキンさんも「コーチ・大谷」の助言内容が気になったようで
「実はその夜に、ザックに『ショウヘイは何を教えてくれたんだ?』と電話したんです。
ショウヘイはいくつか打席を見た上で、『間違ったことをしていると指摘してくれた』と言ってました。
そして、ショウヘイの目にはザックが怖気づいていたように見えたそうで、『落ち着いて打席に立つように』とアドバイスをくれたようです」
と明かしました。
さらに移動休養日だった翌18日には、大谷選手からネト選手のもとに「何本も動画が届いた」とのこと。
18日と言えば大谷選手が肘靭帯の手術を受ける前日。
自らの準備もある中で、チームメイトのために時間を割こうとする大谷選手の野球愛、チーム愛には頭が下がります。
「コーチ・大谷」のアドバイス効果は抜群だったようで、ネト選手はオフ明けの19日から本塁打を含む3試合連続安打と復調。
「父としてホッとしています。ショウヘイは素晴らしい。グレートですね」
とホアキンさんも飛びっきりの笑顔を浮かべながら「コーチ・大谷」に感謝。
「ショウヘイはユニコーン。メジャーで投打で活躍することは、とても難しいこと。信じられないことです。
100%残留してほしいです。選手だけでなく、チームやファンも彼が戻ってきてくれることを願っているはずです」
と今オフFAとなるメガスターの契約延長を望みました。
◆モニアック「彼と過ごせる時間を大切にしたい」アデル「球界最高の選手から学ぶことができる」
大谷選手への熱い想いを語っているのはネト選手やオホッピー捕手だけではありません。
今季ブレイクし、外野のレギュラー定着を目指すミッキー・モニアック選手は
「いつも感謝しているし、楽しんでいる。彼と過ごせる時間を大切にしたい」
と大谷選手と一緒にプレーできる現状を噛みしめるように語っています。
まだ24歳と若く、これからのエンゼルスを引っ張っていく選手として期待の高いジョー・アデル選手も
「球界最高の選手から学ぶことができる。だから、このチームにいてハッピーだよ」
と、その喜びを語っています。
◆ジョイス「日々のルーティンはveryクール」グリチャック選手「彼ほど練習をする選手を見たことがない」
◆ジョイス「日々のルーティンはveryクール」グリチャック選手「彼ほど練習をする選手を見たことがない」
今季メジャーデビューを果たした最速170キロの剛腕ベン・ジョイス投手は
「日々のルーティンは見ていて、かなりクール」
と二刀流の練習姿勢に興味津々。
今季途中でエンゼルスに加入したランドール・グリチャック選手も
「彼ほど練習をする選手を見たことがない。それを見られたことは素晴らしいことだった。
細部まで注意を払っているというか、まるで試合のように練習に臨むんだ」
と通算190本塁打のベテランも、大谷選手から学ぶことの多さを語っています。
◆ネビン監督「最高の野球選手。若手は靴下の履き方から見ている」
◆ネビン監督「最高の野球選手。若手は靴下の履き方から見ている」
フィル・ネビン監督は
「監督やコーチができることは限られている。野球の教訓は特に経験を積んだチームメイトから得るものだ。
ショウヘイはいつも試合に出ていたから、これまで試合中にはなかったが、試合前にいつも打撃ケージでみんなに話しかけている。
今はダグアウトで若い選手たちと一緒にいるからそういうのを見ることができる」
と若手選手と密にコミュニケーションを取る「コーチ・大谷」を大絶賛。
「若い選手たちはここに来て、ショウヘイの靴下の履き方から、人と話すときの様子まで見ている。
動いている時はもちろん、座っている時でさえも彼を見て、その偉大さを見習いたいと思うんだ」
と目を細めました。
大谷選手の活躍を間近で見てきたネビン監督は
「彼がやってきたことは特別。それはいつもみんなで話していた。
比較ができないんだ、ショウヘイは二刀流だからね。
おそらくバリー・ボンズと比較しなければいけないくらいだと思う。
私が見た中で最高の野球選手だということは言える」
とレジェンド・スラッガーを引き合いに出して大絶賛。
「(大谷は)二刀流を証明したか?」という記者からの質問については
「(はじめは)他のみんなと同じように私も疑問はあった。
ショウヘイ自身の中に競争者がいて、彼は1番偉大な選手になりたいと思っている。
毎日、彼がやることはひとつひとつ、1番偉大な選手になりたいという意思から来ている。だから彼は実際に1番偉大な選手なんだ」
と大谷選手の価値の大きさを語りました。
◆史上最高の野球選手「大谷翔平」の6年は不滅
予期せぬアクシデントによって、シーズン終了を待たずにチームからの離脱を余儀なくされた大谷翔平選手。
今オフFAとなり、残留か移籍かでストーブリーグの話題をしばらく独占しそうですが、たとえ移籍したとしても、大谷選手がエンゼルスでプレーした6年間がなくなるわけではありません。
チームメイト達はみな、大谷選手を尊敬し、共にプレーできたことに感謝し、その幸せな時間が続くことを願い、そして、この史上最高の野球選手の未来にエールを送っているのです。
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