◆「怪我をしても、別の形で貢献。すべて見る価値がある」敵地メディアも称賛

大谷選手は現地8月26日、敵地で行われたニューヨーク・メッツ戦に「2番・指名打者」で先発出場。

右肘の故障を感じさせない活躍で、チームの勝利に貢献し、現地のファンを魅了しました。

初回、相手先発カルロス・カラスコ投手に対し、ファウルで粘った後8球目の高めのストレートをとらえると、これがセンターへの二塁打となり、4試合連続安打をマーク。

さらに、3ー0とリードして迎えた2回の第2打席でも、打球をライト線へ運ぶタイムリー三塁打を放ちました。

さらに4回の第3打席に四球で出塁すると、二盗、三盗を成功させ、今季の盗塁数を19に伸ばしました。

打撃と走塁で高いパフォーマンスを披露した大谷選手に現地メディアも続々と反応。

米データ分析会社『Codify Baseball』の公式Xアカウントは

「ショウヘイ・オオタニは過去26年間、1試合で二塁打、三塁打、四球、2盗塁を記録した10人目のMLB選手だ」

と投稿し、大谷選手の偉業達成を紹介。

また、「MLB公式」のサラ・ラングス記者も自身のXアカウントで

「ショウヘイ・オオタニにとってキャリア初の複数長打と複数盗塁を記録した。エンゼルスの選手としては、2014年5月11日のハウィー・ケンドリック以来」

と過去の記録を交えてこの日の躍動を讃えました。

この異次元の活躍ぶりには、敵地メディア『ニューヨーク・ポスト』紙も、数々の称賛の言葉を用いて最大級のリスペクトを送っています。

同メディアは

「オオタニの肘をめぐる騒動の中で、少し見失われているのは、このスーパースターが、本当に唯一無二の存在なのだという現実。
それは二刀流選手の特徴でもある。彼は怪我をしていても、違う形で貢献できる」

と前置きした上で

「オオタニは投げることはできなかったが、強烈なヒットを放ち、ベースを悠々と駆け抜けた。
彼はシティ・フィールド3万5890人の観衆の前でほとんどのことをやり遂げた」

と大谷選手の打撃・走塁スキルを称賛。

さらに最終打席で前日に続いて、申告敬遠で歩かされた場面も

「メッツは9回にオオタニをわざと歩かせ、この夜一番の大ブーイングを促した」

と振り返りました。

敵地メッツファンも大谷選手のプレーを1打席でも多く見たかったのでしょう。

同メディアの賛辞はこれだけにとどまらず

「ベーブ・ルース以来のユニコーンであるオオタニがやっていることは、たとえ二刀流の半分が危ういものであったとしても、すべて見る価値がある」

と、まるで地元のスーパースターかのようにべた褒め。

さらに今オフのFA動向についても言及し

「オオタニと契約するチームは、彼の投手としての将来について確かなことはわからないかもしれない。
しかしアーロン・ジャッジ級のアメリカン・リーグ本塁打記録を脅かす中軸打者を加えることになるだろう」

とスーパースラッガーとしてのポテンシャルの高さを伝えました。


◆特大ファールでも話題!メジャートップの飛距離と破壊力

二塁打、三塁打、2盗塁と躍動したこの日、大谷選手は特大のファールでも、敵地メッツファンを魅了しました。

二塁打を放った第1打席、先発のカラスコ投手の投じたスライダーを強振。

体制を崩されながらも右手一本で振り抜いた打球はライト方向へグングン伸びていきます。

惜しくもポールの外側を通過しファールとなったこの打球は、ニ階席上部の電光掲示板を直撃。

「Coors Lightビール」の広告デザイン部分が、打球によって壊され、表示されなくなってしまいました。

観客席からも思わずどよめきがあがるその飛距離と破壊力。

ア・リーグ本塁打王の披露した珍事にスタジアムもジョークで応戦。

次の打席では大スクリーンに

「ショウヘイに請求書を送ります」

とのメッセージを掲示。

さらに翌日には

「もう何も壊さないでね、ショウヘイ」

とメッセージが書き換わっていました。

当の被害者?である「Coors Light」も即反応。

大谷選手の打球で破損した左上部の一部が黒くかけたビール缶の画像をSNSで投稿し、ついには同デザインの記念缶まで発売してしまいました。

「これは、ファウルで広告掲示板を破壊した野球界で世界最高のスーパースターの1人からインスピレーションを受けて誕生したものです」

と説明が添えられたこの記念缶は発売と同時に即完売。

大谷選手のスター性を証明する珍エピソードとなりました。

特大ファウルでビジョンを破壊し、ニューヨークのファンを驚かせた大谷選手。


◆キャリア初「WAR10.0」に到達!

現地8月26日、米データ会社『ベースボール・レファレンス』が算出したセイバーメトリクスの数値「WAR」において、大谷選手が自身初となる10.0に到達しました。

「WAR」は打撃や走塁、守備や投球を総合的に評価して、勝利への貢献度を表す指標。

大谷選手は135試合終了時点で、打率.304、44本塁打、95打点、20盗塁、OPS1.066とリーグトップクラスの好成績を維持。

投手としても10勝、防御率3.14、167奪三振とエース級の活躍を果たしており、故障が発覚して今季の登板がなくなった現在でも、指名打者として出場しWARを積み上げています。

「WAR」は7.0を超えるとMVP級と言われており、10.0は年間262安打を放った2004年時のイチロー氏の9.2を凌駕する数字です。

大谷選手自身もMVPを受賞した2021年が8.9(リーグ1位)、昨年が9.6(同2位)と、これまで10.0を超えたことはありませんでした。

現在ナ・リーグのMVP候補と言われているドジャースのムーキー・ベッツ選手とブレーブスのロナルド・アクーニャJr.選手の二人のスーパースターですら、WARは8.0未満。

ア・リーグに目を向けても、2位以下を大きく引き離しており、もしWAR10.0以上でシーズンを終えれば、メジャー史上初となる二度めのMVP満票受賞の大きな後押しとなるでしょう。


◆打撃傑出度「wRC+」でも他を圧倒

また、打撃の傑出度を表す数値「wRC+」でも、大谷選手は他を圧倒しています。

「wRC+」はどれだけ得点を生み出したかを表す指標。

リーグ平均を100として計算し、150以上であれば一流と評価されるのですが、今季の大谷選手の「wRC+」はなんと183。

2位のヤンディ・ディアス選手ですら158であることからも、大谷選手が打者だけでも図抜けた存在なのがわかります。


◆メジャー史上初の「40本塁打・10勝・20盗塁」達成!

9月3日に行われた敵地アスレチックス戦では、四球で出塁したあと二盗を決め、シーズン盗塁数が20に到達。

MVPを受賞した2021年以来二度目となる「40本塁打・20盗塁」を達成しました。

「40本塁打・20盗塁」の複数回達成はメジャー史上8人目の快挙。

アレックス・ロドリゲス(4回)、バリー・ボンズ(3回)、ホセ・カンセコ(3回)、ハンク・アーロン(2回)ら錚々たるレジェンドの中に、また一つ大谷選手の名が刻まれました。

そしてここからが大谷選手ならではのオリジナルレコード。

大谷選手は今季すでに投手として10勝をあげており、メジャー史上初の「10勝・40本塁打・20盗塁」の偉業を成し遂げました。


◆ゴジラ松井「大谷翔平は夢のかたまり」日本人初の本塁打王に期待

巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏も、日本の誇るスーパースラッガー・大谷選手にエールも送っています。

松井氏は、大谷選手の打撃の優れた点として

「やはりパワーがありますね。もともと体から発せられるパワーもあるでしょうし、彼の身長やリーチの長さからくるパワーもあるでしょう。
それを土台とした技術の高さもあるように感じます。
打撃スタイルは彼が地道に作り上げてきたものでしょうし、同じような形で誰もがあの打撃ができるかといったら、恐らくできないと思います」

と日本人離れしたポテンシャルに加え、試合や練習で積み上げられてきた技術の高さについても称賛。

また、現在リーグトップとなっている本塁打数については

「打者として出場を続けることが可能ならば、かなり高い確率で取れるのではないかと思います。
日本選手の本塁打王は夢がありますね」

と日本人初の快挙達成に期待を寄せた上で

「彼は夢の塊のような選手に感じます。
彼を見て、憧れる野球少年がたくさんいることに大きな意味があり、日本の野球の明るい未来につながっていくと思います」

と大谷選手の存在が将来のスタープレーヤー育成につながるとしています。

また、残り4本と迫った自身の持つ日本人メジャー通算記録についても

「早く超えてほしいですね。
打者と投手を両方やって、ともにあれだけの成績を残せる選手なんて、彼しかいません。
想像できないくらい、すごいことをしているし、謙遜などではなく、私とは全くレベルが違うのは明確な事実です」

と今季中の記録超えにエールを送り、最後に

「大谷選手の素晴らしいところはプレーだけではなく、野球に全てをささげているように感じるところです。
全て野球のために24時間を過ごしている。野球に取り組む姿勢も素晴らしいお手本で、彼に憧れた少年少女がこれから成長していく。
そういう意味でも、本塁打王を獲得できれば私もうれしいです」

と野球選手として高みを目指し続ける二刀流スターに賛辞を送りました。



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