ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手は、現地8月9日の対サンフランシスコ・ジャイアンツ戦で先発登板し、見事10勝目をマーク。

メジャー史上初となる、2年連続での「二桁勝利&二桁本塁打」の快挙を成し遂げました。

大谷選手は、今季ここまでリーグトップの本塁打を放っており、同時に「10勝&40本塁打」の前人未到の記録も打ち立てました。

打者としては、打率、打点、OPSなど多くの部門でリーグ3位以内にランクインしており、昨季ジャッジ選手ですら手が届かなかった三冠王にも期待が寄せられています。

さらに投手としても、メジャートップの被打率をはじめ、勝利数、防御率、奪三振など多くの部門でトップ10に入り、日本人選手初となるサイ・ヤング賞も射程に捉えています。


◆「異次元の打者だ」大谷翔平の“ノーヘル”弾に相手先発も脱帽

大谷選手は8月16日、敵地テキサス・レンジャーズ戦において「2番DH」で先発出場。

3試合ぶりとなる42号本塁打を放ち、チームの勝利に貢献しました。

初回、1死走者無しの場面でこの日最初の打席に立つと、相手先発ジョン・グレイ投手の速球をフルスイング。

ストライクゾーンを外した95.7マイル(約154キロ)をヘルメットを飛ばしながらかちあげると、詰まったかのように見えた打球はぐんぐん伸びて、センターバックスクリーン横に飛び込みました。

打球速度110.2マイル(約177.3キロ)、打球角度28度、そして飛距離448フィート(約136.6メートル)を計測した豪快な一発に、敵地ながら球場は騒然となりました。

大谷選手はヘルメットが脱げたままダイヤモンドを一周。

豪快弾とともに髪をかきあげるシーンがSNS上で拡散されました。

この日、7回1失点と好投しながら敗戦投手となったグレイ投手は

「オオタニへのあの一球は狙ったところに投げられたと思った。だけど彼は…彼は…やっぱり(他とは)違う」

と「打者・大谷」の異次元のパワーに脱帽のコメントを残しています。

さらに、この後の打席では3回と8回に内野安打も放ち、今季13回目の猛打賞を記録。

長打力に加え、並外れた足の速さも見せつける結果となりました。

試合後、エンゼルスのフィル・ネビン監督も

「ショウヘイは最高の選手だ。チームのリーダーが、ああいうハッスルを見せてくれると、ホームランと同じくらいチームに勢いを与えてくれる。
彼は常にそういう選手だ。チームプレーを2回見せてくれた」

と全力疾走を高く評価し、投打でチームを牽引する二刀流スターへの厚い信頼を語りました。


◆トップなのは本塁打数だけじゃない!文句なしの特大弾もメジャー1位

大谷選手にいま最も期待が寄せられているのが、「日本人初の本塁打王」と「シーズン本塁打記録の更新」です。

今季大谷選手は、バットを昨年よりも1インチ(約2.5cm)長いチャンドラー製に変え、本塁打を量産。

6月にはキャリアハイとなる15本塁打を放って月間MVPにも選ばれました。

前半戦までは、ジャッジ選手の持つア・リーグ記録62本塁打にも迫る勢いでしたが、現在は122試合で42本塁打とシーズン56本塁打ペースとなっています。

後半戦に入ってペースダウンしたのは、マイク・トラウト選手ら主軸の相次ぐ離脱によって、勝負を避けられるようになったためです。

実際に相手バッテリーから徹底したマークさを受けた大谷選手は、40号を放ってから9試合ホームランから遠ざかっていました。

しかし8月13日のヒューストン・アストロズ戦で、448フィート(約136.6メートル)の特大弾を放つと、その3日後にも同じく448フィートの42号本塁打を放っています。

大谷選手は今季5月29日から6月28日の28試合で13本塁打を放っており、もしまたこのペースを取り戻したら、9月にも60本の大台が見えてきます。

そうなった時の大谷選手の集中力の凄さは誰もが知るところ。一気にギアを上げて連日の固め打ちモードに入るでしょう。

昨季投打においてMVP級の活躍を果たしながら、シーズン記録を塗り替えたジャッジ選手にその栄誉を譲る形に終わってしまいした。

そのジャッジ選手の記録を大谷選手が抜き返したら、こんな胸の熱くなることはありません。

「打者・大谷」の凄さは単にホームランの数だけではありません。

MLBではスタジアムごとに広さや形、フェンスまでの距離が様々であり、一部の球場ならホームランだけど、それ以外の球場なら柵越えどころか外野フライでアウトということも往々にして起こりえます。

現地アメリカでは、30球場全てで柵越えとなる大飛球弾のことを、「No Doubt:文句なし」と表現します。

大谷選手のホームランはその「文句なし」の数でもメジャー1位。

今季42本塁打の中で、全球場柵越えはなんと半分の21本。

現在43本塁打を放って両リーグトップとなっているマット・オルソン選手ですら19本、その後ろにはルイス・ロベルト.Jr選手とオースティン・ライリー選手の16本が続きます。


◆あるか?三冠王!ハードルは打率

大谷選手は122試合終了時点で、42本のホームランに加え、長打率.664、OPS1.072、7三塁打、75四球、出塁率.407と6部門でア・リーグ1位となっています。

それ以外にも、打率.306、85打点と打撃主要部門でトップ3にランクインするなど、三冠王を射程に捉える驚異的な成績を残しています。

米球界を賑わす二刀流戦士の異例な数字に、米メディア『MLB公式』も注目。

「ショウヘイ・オオタニは三冠王の可能性があるのか?」と題した興味深い記事を配信しています。

同メディアは

「オオタニの三冠王への挑戦は、今までとは少し違うかもしれない。
オオタニは投手としても素晴らしい仕事をしており、それが彼の打撃面での功績をさらに印象深いものにしている」

と「打者・大谷」の飛躍を分析。11年越しの三冠王誕生に期待を寄せました。

メジャーで最後に三冠王を獲得したのは、2012年のミゲル・カブレラ選手(デトロイト・タイガース)。

昨季62本塁打を放ったジャッジ選手ですらも、三冠王を手にしたことは一度もありません。

さらに言えば過去の三冠王のうち、同一シーズンにマウンドに上がった選手は一人もいません。

同メディアも

「ショウヘイ・オオタニのやることは、ほぼすべての歴史を作っており、それはこの二刀流スターの前例のないスキルが物語っている」

と投打に渡って異次元のパフォーマンスを披露する大谷選手を絶賛しました。

昨年本塁打と打点の二冠となったジャッジ選手同様、やはり大谷選手の三冠王の一番の壁は「打率」となりそうです。

今季はテキサス・レンジャーズのコリー・シーガー選手が、規定打席未満(353打席)ながら打率.348という驚異的な数字をマーク。

記録上はまだランキングに登場していませんが、このままいけば首位打者は、ほぼシーガー選手が手にするだろうと言われています

それでも可能性はゼロではありません。

長いメジャーの歴史の中でも10人しか達成していない三冠王を、先発投手もこなす大谷選手が獲得するかも?

そう考えるだけでワクワクしてきちゃいますよね。

(追記)44本塁打(1位)、打率.304(4位)、95打点(14位)


◆ルースら過去5人しかいない“神領域”

大谷選手の打率にはもう一つ、「神様クラス」の快記録がかかっています。

長いメジャーの歴史の中で、「シーズン40本塁打、15盗塁、7三塁打、打率.300」をクリアしているのは、ベーブ・ルース(1921年&1923年)、ルー・ゲーリッグ(1931年)、ウィリー・メイズ(1955年)ら5人しかいません。

大谷選手は122試合時点で、17盗塁、7三塁打を記録しており、このままシーズン終了まで打率3割をキープできれば、史上6人目の快記録となります。

ちなみにルースが達成した年の投手としての登板数は1921年が1度、1923年は登板すらしていません。

大谷選手は、このメジャーの歴史の中で「神様」、「伝説」と呼ばれる選手たちが成し遂げた記録を、チームのエースとして二桁勝利を上げながら達成しようとしているのです。

(追記)44本塁打◯、20盗塁◯、8三塁打◯、打率.304◯で達成


◆二刀流のユニコーンが挑む22年未踏「400塁打」の金字塔

今シーズンも、様々な偉業や快記録を打ち立てることが予想されていますが、スピードとパワーを併せ持つ大谷選手ならではの記録が「塁打数」です。

「塁打」とは、単打・二塁打・三塁打・本塁打で打者が踏んだベースの合計をした指標のこと。

それぞれ単打(1)、二塁打(2)、三塁打(3)、本塁打(4)として計算し、数字が大きければ大きいほど、より多くの長打を放った証となります。

米メディア『スポーティングニュース』誌が

「オオタニはジャッジが昨季更新したア・リーグ記録の62本塁打に迫る勢いだが、そのジャッジでさえも届かなかった『400塁打』を達成するチャンスがある」

と驚異的なペースで長打を量産する「打者・大谷」に注目し

「ア・リーグで最後に達成したのは1978年のジム・ライス(406塁打)で、それ以来誰もいないが、オオタニはいま全盛期でチャンスは大いにある」

と45年ぶりの快挙に期待を寄せています。

大谷選手は122試合時点で297塁打を記録しており、これを162試合で換算すると394塁打ペースです。

400塁打は両リーグ通じても2001年の達成が最後で、もし大谷選手が到達すると実に22年ぶりの快挙。

過去に400塁打を達成したのは19人(のべ29度)いますが、その殆どは第二次世界大戦の始まった1939年より前か、「ステロイド(筋肉増強剤)時代」と揶揄された2000年前後に集中しています。

その期間を除くとスタン・ミュージアル(1948年)、ハンク・アーロン(1959年)と前述のライスを含めたった3人しか達成していません。

同メディアは「打者・大谷」のマルチな才能に期待を寄せ

「ジャッジは昨季終盤の本塁打ペースダウンにより、400の大台に乗せられず、391塁打に終わった。
オオタニの方がチャンスはありそうだ。それは、たとえ本塁打が量産態勢でなくても、三塁打が多いからだ。昨季のジャッジは三塁打が1本もなかった」

と投手としても活躍しながら歴代の大打者に匹敵するペースで長打を打ちまくる大谷選手を絶賛しました。

両リーグトップの塁打数は、規格外のパワーに加えスピードも兼ね備えた大谷選手だからこその数字と言えるのです。

(追記)325塁打(1位)


◆最多勝投手によるホームラン王

大谷選手は、8月9日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で投手として10勝目をマーク。

ベーブ・ルースですら一度しか達成していない「二桁勝利&二桁本塁打」を、2年連続で成し遂げました。

野球評論家の福島良一氏は

「やはり、何と言ってもすごいのが2年連続での偉業達成。
どんな連続記録にも共通して言えるのが継続することの難しさ。
ましてや、それが投打二刀流での記録となれば、単純に人の2倍ぐらいの蓄積疲労もある。
それだけになおさらすごいことです」

と二刀流のユニコーンが打ち立てた前人未到の記録を手放しで称賛しました。

今季大谷選手は、122試合終了時点で22試合に先発登板。

防御率3.17はリーグ6位、10勝(7位タイ)、さらに165奪三振(5位)、奪三振率11.36(2位)、WHIP1.06(7位)、QS率54.5%(10位タイ)、完投1(2位タイ)、完封1(2位タイ)、
と多くの部門でア・リーグトップ10入りしており、特にその中でも被打率.185は両リーグ通じて1位です。

今季最も本塁打を放ち、最もベースを踏んだ打者が、投手として最も安打を許していないわけですから、異次元過ぎてもはや言葉もありません。

さらに昨季打ち立てた「10勝&30本塁打」のメジャー史上初の快挙を上書きし、「10勝&40本塁打」を達成。

福島氏は

「昨年ルース以来104年ぶりの大偉業達成のときは25本塁打で、最終的に34本でした。
今年は早くも40本に到達。大リーグ史上初『10勝&40本塁打』の金字塔も打ち立てました。
このまま行けば、これまた史上初の『最多勝&ホームラン王』だって夢ではありません」

と二刀流のユニコーンのさらなる偉業達成に期待を寄せました。

今のペースで勝利と本塁打を積み重ねれば、「15勝&50本塁打」にすら手が届く勢い。

もし最多勝投手が50本以上ホームランを打ったとしたら、野球の常識が覆るどころの騒ぎではありません。

(追記)10勝(24位)


◆世界中から驚きの声「リーグ最強のスラッガーがサイ・ヤング賞候補」

「投手・大谷」に注目する上で、避けて通れないのが日本人選手初となる「サイ・ヤング賞」です。

15勝、防御率2.33と飛躍の年となった2022年、大谷選手はサイ・ヤング賞で4位にランクインしました。

現地8月15日、米メディア『MLB公式』がSNSで

「サイ・ヤング賞レース、あなたはどの“馬”に乗る?専門家による予想」

と候補投手5名を成績入りで投稿。

ア・リーグにおいては、ゲリット・コール投手(1位)、ケビン・ゴーズマン投手(2位)に続いて大谷選手が3位にランクインしました。

その後に続くのもネイサン・イオバルディ投手(4位)、フランバー・バルデス投手(5位)と錚々たる顔ぶれです。

この予想を受けて、地元カリフォルニアメディア『オレンジ・カウンティ・レジスター』のエンゼルス番、ジェフ・フレッチャー記者は

「ちなみに、打撃力を測るOPS+/WRC+では(大谷が)ダントツ1位」

と自身のSNSで言及。改めて異彩を放つ二刀流スターに賛辞を送りました。


◆MVPは確定。2度目の満票受賞ならメジャー史上初

前人未到の「10勝&40本塁打」を達成した今季の大谷選手。

投打における圧倒的なパフォーマンスは、勝利貢献度を表す数値「WAR」でもダントツとなっています。

米野球データ会社『ベースボール・リファレンス』社によると、8月16日時点の大谷選手のWARは「9.3」となっており、2位のロナルド・アクーニャJr.選手の「6.1」に大きな差をつけています。

WARは打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して、選手の貢献度を表す指標。

このWARにおいて1位と2位の差が「3」以上となるのは、近代野球史上わずか3例しかなく、直近においてもドワイト・グッデン(13.3)が2位のリッキー・ヘンダーソン(9.9)に「3.4」差をつけた1985年と、40年近く前のことです。

一般に守備を行わない指名打者は数値が下がりがちなのですが、大谷選手は野手としてもWAR5.6を叩き出しています。

WARはMVPを選出する際に重要視されると言われており、両リーグダントツの大谷選手は、今季の戴冠が確実視されています。

米メディア『スポーティング・ニュース』誌も

「オオタニはすでにア・リーグMVPを確定させている。誰が2位になるか?それだけが注目のレースだ。
MVPレースにおいて彼のリードは非常に大きく、今すぐプレーをやめても受賞できるだろう」

と太鼓判を押しています。

大谷選手が今季MVPを獲得すれば、2021年以来二度目。

メジャー7年目を迎える前に2度目のMVPを手にした選手は、トラウト選手ら6人しかいません。

さらに大谷選手は2021年には満票で選出されており、現役選手で満票で受賞したのは、大谷選手以外ではトラウト選手(2014年)とブライス・ハーパー選手(2015年)の二人だけ。

同メディアは

「オオタニはおそらく(今回も)30票すべてを獲得する」

と2021年に続いて2度目の“満票選出”を予想。

満票で2度以上MVPを受賞した選手は、メジャー史上一人も存在しません。


◆2年連続の「投打W規定到達」

最多勝や本塁王などの投打主要タイトルに注目の集まる大谷選手ですが、忘れてならないのが「W規定到達」です。

MLBではシーズン162試合に対して、投手としての規定投球回を162イニング、打者としての規定打席を502打席と定めています。

昨季大谷選手は、シーズン最終戦の対アスレチックス戦で規定投球回をクリア。

すでに規定打席には到達しており、近代野球史上誰も成し遂げたことのない快挙「投打W規定」を達成しました。

8月16日時点で、打者としては533回打席に立っており、規定打席は3年連続でクリア。

投手としても22度の登板で130.2イニング投げており、前人未到の2年連続「投打W規定」まで、残り31.1イニングと迫っています。

残り40試合で6度以上の先発登板が予想されており、偉業達成のカウントダウンが始まっています。

三冠王、サイ・ヤング賞、MVP、二桁勝利&二桁本塁打、10勝&40本塁打、そして二年連続の投打W規定到達...

今季大谷選手は一体どれだけの「史上初」を成し遂げるでしょうか?

フィールドに立つたびに世界中の野球ファンに驚きと感動を与え続ける大谷選手の活躍に、今後も目が離せません。

(追記)599打席◯、132イニング✕


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