◆月間MVPと週間MVPをW受賞「これ以上何を求められるのか?」MLB公式も絶賛

現地8月2日、MLBが7月の月間MVPを発表。

ア・リーグでは、エンゼルスの大谷選手が2ヶ月連続で受賞しました。

7月も二刀流スターは投打において躍動。

投手としては4試合に登板、25回1/3を投げて2勝2敗、防御率4.97、29奪三振をマーク。

7月27日のデトロイト・タイガース戦では、メジャー6年目で初完投&初完封を達成しました。

打者としては更に凄まじく、23試合に出場して打率.282、リーグ最多の9本塁打を放って14打点、OPS1.152を記録。

月間MVPの受賞は通算4回目となり、自身が持つ日本人最多記録を更新しました。

さらに大谷選手は7月最終週において、1完封、3本塁打、打率.300、OPSは脅威の1.281を記録。

今季3度目となる週間MVPにも選出されました。

大谷選手は2021年の同時期にも月間MVPを連続受賞。

通算4度は、歴代球団1位のマイク・トラウト選手の5度に次いで2番目に多い記録です。

エンゼルスの広報マット・バーチ氏が自身のツイッターで
 
「2013年以来、ショウヘイ・オオタニは月間最優秀選手賞を連続して受賞した唯一のメジャーリーガーであり、しかもそれは2回目である」

と大谷選手の打ち立てた偉業を紹介。連続受賞に華を添えました。

6月に15本塁打を放つなど無双状態だった「打者・大谷」は7月も好調をキープ。

現地8月2日に『MLB公式サイト』が発表した最新の「打者パワーランキング」でも、大谷選手は4度連続で1位に輝いています。

同メディアは

「オオタニをトップの座から引きずり下ろせる者はいるのか?現時点で、その可能性は低いだろう」

と予想した上で

「先発投手パワーランキングにも常連のオオタニは、今回の投票で4回連続トップとなっている。MLBの記者たちによる過去3回の選出は、いずれも満場一致だった」

と対抗馬すらいない「打者・大谷」の無双ぶりを伝えました。

さらに、同メディアは

「メジャートップの39本塁打、7三塁打、長打率.676、OPS1.081、OPS+188、総塁打269、申告敬遠13」

と今季ここまでの打撃スタッツを紹介した上で

「これ以上何を求められるのか?」

とリーグを独走するスーパースラッガーにこれ以上ない賛辞を送りました。


◆右手痙攣でも魅せた意地の激走!巻き起こる異例のMVPコール

デトロイトから始まり、トロント、アトランタのロード9連戦を終えたエンゼルス。

本拠地エンゼルスタジアムに戻ってきた二刀流のユニコーンが、地元ファンを魅了しました。

大谷選手は、8月3日に行われた対シアトル・マリナーズ戦において「2番・投手兼DH」で先発出場。

投手としては、初回から100マイルの速球に魔球スイーパーを駆使し、4回まで5奪三振、無失点と圧倒的な投球を披露。

打者としても第1打席でライト前にヒットを放ち、連続安打を8試合に伸ばしました。

右手中指の痙攣のアクシデントで4回で降板となりましたが、二刀流スターの見せ場はマウンドだけではありません。

1点ビハインドで迎えた第3打席。

6回二死走者無しと本塁打が期待された場面でしたが、3ボールとなったところでマリナーズベンチは申告敬遠を選択します。

レガースと手袋を外して一塁へ行くという最近おなじみとなりつつある光景にスタジアムのファンは大ブーイング。

しかし大谷選手は、続く3番C.J.クロン選手の打席で、そんなファンの不満を吹き飛ばすかのごとく盗塁を敢行。

無警戒だった相手バッテリーの虚を突き、今季14個目の盗塁を成功させます。

投げられないなら、バットを振らせてもらえないなら、今度は脚で貢献する。

この「なんとしてもチームを勝たせたい」という思いの詰まった激走ぶりに

「MVP!MVP!MVP!」

と球場全体から大歓声が巻き起こります。

MVPコールは通常、シーズン終盤に本塁打や逆転打を放った際に発せられるもの。

8月初旬のこの時期に、しかも盗塁でコールが起こるのは今まで見たことがありません。

二刀流スターの奮闘に応えたクロン選手の適時打で、大谷選手も二塁から激走。

快速を飛ばしてホームに滑り込み、同点のホームを踏みました。


◆「This is 40!」けいれん直後の40号に地元局唖然

自身の好走塁から1-2と逆転して迎えた大谷選手の第4打席。

8回一死走者無し、カウント2-2の6球目、アイザイア・キャンベル投手の内角への速球を強振すると、快音とともに強烈な打球が右中間に突き刺さります。

打球速度106.7マイル(約171.7キロ)、打球角度23度、飛距離390フィート(約118.9メートル)の弾丸ライナーはあっという間にスタンドに着弾。

リードを2点に広げる第40号ホームランに本拠地エンゼルスタジアムは熱狂のるつぼと化しました。

あまりの衝撃の出来事に、エンゼルス放送局『バリースポーツ・ウエスト』の実況、ウェイン・ランダッゾ氏は

「This is 40!」

と絶叫した後、言葉が出てこず約28秒間にわたって沈黙。

同局の解説を務めるマーク・グビザ氏も

「ショウヘイ・オオタニを現わす言葉が思い浮かびません」

と呆然としたあと

「(6回に)敬遠で出塁して盗塁し、(8回に)ロケットのようなホームランを打ちました。
指のけいれんで4回に降板しましたが、お構いなしにホームランを打ちました。
彼は、この惑星の生き物ではありません。これは、公式発表です。ユニコーンです!」

と熱弁。

あまりの出来事に興奮の冷めやらないグビザ氏は

「彼のやったことは信じられないことです。まだ8月3日なのに、もう40号です。
スイングを見てください。手をたたんで打ちましたが、彼は手と指をけいれんしているのです。
(観客の)リアクションを見てください。彼は人間ではありません」

と、その驚きを隠さずに繰り返し絶賛しました。

エンゼルスの公式ツイッターが、大谷選手が放った40号のムービーをアップすると、ファンも続々と反応。

「スーパースター」「史上最高」「キング」「宇宙人」「スーパーマン」などと唯一無二のユニコーンを形容する称賛の声がネット上を賑わせました。


◆「オオタニは今夜、全てをやり遂げた」次々と打ち立てられる偉業

投げて、走って、打ってと、二刀流の真骨頂を見せつけたこの試合、大谷選手はまたしても歴史に残る偉業を打ち立てています。

米スポーツ専門局『ESPN』のスタッツを専門に扱う公式ツイッター『ESPN Stat&Info』が

「オオタニは今夜、全てをやり遂げた」

と、この日のレコードを多岐にわたって紹介。

まずは「投手・大谷」から。

試合前の時点でメジャー通算597奪三振を記録していましたが、2回に7番・ヘルナンデス選手からこの日3つめの三振を奪い、通算600奪三振を達成しました。

84登板での600奪三振はメジャー史上8人目のスピード記録。

ベーブ・ルースでも通算500奪三振には達しておらず、毎日打者として出場しながら600個の三振を奪った投手は大谷選手だけです。

大谷選手はすでにこの試合の前にシーズン150奪三振に到達しており、2021年に続いて「40本塁打&150奪三振」も達成。

複数シーズンにおいて「40本塁打&150奪三振」以上は、MLB史上初の快挙です。

さらに大谷選手は、この試合で「2安打、2フォアボール、1本塁打、1盗塁、4出塁、4回無失点」を記録しており、こちらも1920年以降誰一人として達成したことのない偉業です。

今季も投打において前人未到のパフォーマンスを披露する大谷選手。

とりわけ打撃面では出色の数字で40本塁打は両リーグ1位。
さらに打率、打点においてもトップ5以上に食い込んでおり、三冠王すらも狙える位置につけています。

また投手としてもここまで9勝をあげ、被打率はリーグトップ。奪三振数もリーグトップ3です。

同メディアは

「1920年以来、8月に入ってから打撃三冠部門で、ナ・リーグまたはア・リーグでトップ5にランクインした選手は140例を超えた。
しかし8月1日以前に投手として試合に出場した選手は2人だけだった」

と投手を務めながら8月に打撃三冠部門で5位以内を達成した選手は、今季の大谷選手以外には「1920年のベーブ・ルース」しかいないと報じました。

また、記録マニアとして知られる『MLB公式サイト』のサラ・ラングス記者も、大谷選手に関する記録を次々と投稿。

まずは「年間100奪三振をマークした投手の本塁打数」において

「2021年のショウヘイが46本(156奪三振)、2023年のショウヘイが40本(160奪三振)、2022年のショウヘイが34本(219奪三振)、1931年のウェズ・フェレルが9本(124奪三振)」

と現代の二刀流スターによるトップ3独占を紹介。

さらに「マウンドに上がった投手が、同じ試合で本塁打と盗塁をマーク」したのは

「1964年5月7日のマッドキャット・グラント以来」

と実に59年ぶりの快挙であると報じました。

また大谷選手は7月27日の対デトロイト・タイガース戦で完封勝利を飾っており、「シーズンで完封勝利をした投手が本塁打を放った数」として

「2023年にショウヘイ・オオタニが40本、1918年にベーブ・ルースが11本、1931年にウェズ・フェレルが9本」

と、これまた大谷選手が他の追随を許さない数字を残していることを紹介しました。

59年ぶり、103年ぶり、前人未到、比較対象なし.....大谷選手はプレーするたびに、近代野球120年の歴史を塗り替え続けているのです。


◆「彼はバケモノ」「みんな死んだときも、まだショウヘイの話をしているだろう」最強軍団も激賞

圧巻のパフォーマンスを続ける二刀流スターには、最強軍団として今季ナ・リーグを席巻しているアトランタ・ブレーブスの選手たちも惜しみない賛辞を送っています。

現在ナ・リーグの本塁打王、チームの主砲マット・オルソン選手は

「オオタニはとてもとても良い選手。彼がデビューの時からずっと見ているが彼はなんでもできる。
彼は打撃も上手くパワーもあるのは周知の事実だ。走るのも速い。
その上で100マイルも投げる選手は初めて見た。見ていてとても楽しい。
オオタニはフリークだ。おそらく最高の野球選手の一人だろう」

と唯一無二の二刀流スターを「フリーク=化け物」と評しています。

また、昨季チーム最多38本塁打を放ち、今季もオルソン選手とクリンナップを組むオースティン・ライリー選手も大谷選手を絶賛。

インタビューで「オオタニに関して最も感銘を受けることは」と尋ねられたライリー選手は

「全部だね(笑)全部だよ。彼がやっていること全てに感銘を受けざるを得ない。
数分前に言ったんだ。今から100年後、僕たちがみんな死んだときも、まだショウヘイの話をしているだろうってね。
彼はすでにアイコンであり、レジェンドだ。同じフィールドに立てることはとても甘美なことだ」

と大谷選手のパフォーマンスの歴史的価値に賛辞を送っています。

また、今季ナ・リーグMVPが確実視されているブレーブスのスーパースター、ロナルド・アクーニャJr.選手も

「彼の打撃と投球のルーティンには非常に興味がある。彼がどのようにルーティンをこなしているのか?
オオタニのようなピッチングができるようになりたい」

と投打においてエリートクラスの成績を果たしている「二刀流・大谷」に興味津々。

アクーニャJr.選手は今年のオールスターにおいて最多票を獲得。2018年には大谷選手と並んでナ・リーグ新人王を受賞しています。

球宴前のインタビューで、大谷選手について問われたアクーニャJr.選手は

「オールスターに出場する経験はいつだって特別なもの。僕にとって大事なことはこれほどのスーパースターとともにここにいられることだ。
オオタニと1、2を争うことができてスーパーハッピーだ。オールスターゲームに参加して彼の投球と打撃能力に非常に感銘を受けた」

と大谷選手に対してリスペクトの気持ちを明かしています。

7月31日からのエンゼルス対ブレーブス3連戦では、大谷選手とアクーニャJr.選手という両リーグを代表するスーパースターが相まみえるとあって、ファンはもちろん選手や監督も注目を寄せました。

昨季ナ・リーグ新人王に輝いたブレーブスのマイケル・ハリス2世選手は

「ショウヘイは本当に驚異的。現実とは思えないような2人の選手が対戦する。センターの特等席から見させてもらうよ」

と世代最高の呼び声も高い両雄の激突を、まるでファン目線かのように語っています。

同じくブレーブスのブライアン・スニッカー監督も

「オオタニのプレーは見ていて楽しい。本当に特別な才能を持った選手だ。
われわれのチームにもそういう選手(アクーニャ)がいるが、そんな二人が向こう3日間、ここで戦うことになる」

と目を細めた上で

「オオタニは、多くの素晴らしい打者と同じように四球を選ぶこともできるし、パワーもある。とにかく特別なんだ」

と「打者・大谷」を称賛。

記者から「二刀流」プレーについて問われると

「(二刀流が)どんなに難しいか、想像もできない。体力、メンタル、また、彼には多くの期待もかかっている。彼がどんな経験をしているのか想像し難い。
単純に体力だけで考えてもいかに難しいことか、なかなか理解してもらえないのではないか。
先発がなぜ、5日に1回しか登板できないのか。それはリカバリーの時間が必要だからだ。
でもその間、オオタニは毎日打って、走り回っている。とんでもないことだよ」

と大谷選手がメジャーの舞台で成し遂げている「二刀流プレー」について、惜しみない賛辞を送りました。



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