「最も凄いと思う選手は?」

「ショウヘイ・オオタニ」

これは、球場レポートなどを発信するYouTubeチャンネル『La Chica Deportes』を手がけるジェニファー・メルセデス氏がアップした動画です。

答えているのは7月11日に行われたオールスターゲームに選出された球界を代表する人気選手たち。

動画では10人近い選手の反応が紹介されており、ロナルド・アクーニャJr.選手に始まり、ブラディミール・ゲレーロJr.選手、サルバドール・ペレス選手、クレイトン・カーショウ選手、ルイス・カスティーヨ選手などの超豪華な面々が、ほぼ全員、大谷選手の名前を挙げています。

MLBのスター選手たちが、二刀流のユニコーンを称賛するこの動画は、ツイッターを中心に世界中に拡散。

ファンからは

「これだけのスター軍団から名前挙げられる大谷くんって一体!?」
「大谷翔平、改めてすごい」
「当の本人が一番憧れられてる!」

といった驚きの声が続々と寄せられました。

WBC決勝・米国戦前、大谷翔平選手はムーキー・ベッツ選手やマイク・トラウト選手らメジャーのスーパースターの名を挙げ

「憧れるのをやめましょう」

と侍ジャパンメンバーを奮い立たせました。

しかし、今では大谷選手自身が、メジャーのスター選手たちにリスペクトされ、憧れられる存在となっているのです。


◆「Come To Seattle!」各地で巻き起こる異例のチャント

2023年の球宴は、2001年以来となるシアトル・マリナーズの本拠地、T-モバイルパークでの開催。

2001年といえば、マリナーズのイチロー氏が渡米1年目から打ちまくり、ア・リーグ最多得票でオールスターに選出された年です。

22年の時を超え、シアトルの主役はイチロー氏から大谷選手へ。

球宴前日のメディアデーでは、100名を超える報道陣が大谷選手のブースに殺到し、まるで満員の通勤電車かのような押し合いへし合いの人だかりができていました。

その喧騒ぶりは、ある現地レポーターが、「ショウヘイ・オオタニは、最も多くの観衆を集めています。いま私はオオタニ・ストームの真ん中にいます」と表現したほど。

ブルペンで投球練習を行えばファンが黒山の人だかり。
フィールドでウォームアップを始めると、今度はアクーニャ.jr選手やフアン・ソト選手らナ・リーグのスター選手たちが、大谷選手のもとに駆け寄り、記念撮影に興じていました。

そして翌7月11日のオールスター本戦、シアトルでのオオタニ・フィーバーは最高潮に到達。

「2番・DH」で出場した大谷選手が、初回の第1打席に入ると、割れんばかりの歓声が巻き起こり、「Come To Seattle(シアトルに来て)」の大合唱が、T-モバイルパークを包み込みました。

同地区ライバルのマリナーズファンによる異例のチャント。

今オフFAとなる大谷選手に、なんとしても我がチームに来てほしいとの願いがあるのでしょう。

これには球宴に出場したメジャーのスタープレーヤーたちも目を白黒させながら球場を見まわしていました。

地元マリナーズのニュースター、フリオ・ロドリゲス選手は

「クールだったよ。街全体が一つになる様子は見ていてとても興味深かった。自分たちの力を結集させれば、必ずすごいことができる」

と地元ファンの行動を支持。

イチロー氏の愛弟子としても知られ、マリナーズと最大17年の超大型契約結んでいるロドリゲス選手は

「オオタニとは少し話したけど、シアトルに来ることについては何も言ってなかったよ」

と球宴期間中に大谷選手と交流したことを明かし

「秘密。人生のすべてを知ることはできないよ」

と会話の内容については笑って煙に巻きました。

ちなみにシアトルと言えば、大谷選手がオフに通い詰めたデータトレーニング施設、ドライブラインがある街。

大谷選手も試合後のインタビューで

「いつもここに来た時に素晴らしいファンだなと思っていますし、ここ2年ぐらいはオフシーズンにシアトルに行ったりしてたので。
街もきれいですし、素晴らしいところだなといつも思ってます」

とシアトルについては好印象であると語っています。


◆「ウェーブのように広がっていった」全米各地に伝播するラブコール

敵地シアトルで起きたこの異例のチャントに現地メディアも注目。

全米メディア『USAトゥデイ』紙は

「ファンの生声による働きかけはレギュラーシーズンのエンゼルス対マリナーズ戦ではできないものだった。
マリナーズはオオタニが2018年にメジャー移籍する際に最後まで獲得を模索していたチーム。
今回彼らは、生声を通じてオオタニをどれだけ欲しているかを知らせる機会を得た」

とシアトルのファンによる二刀流へのラブコールを大々的に報じました。

また、地元西海岸メディア『ロサンゼルス・タイムズ』紙も

「善良なシアトルの人々が彼らの心の内を吐露し、彼らの声をひとつにして爆発させた。
T-モバイルパークで完売となった火曜日のオールスターゲーム。
全米のテレビ視聴者が見守る中でシアトルのファンは『シアトルに来て!シアトルに来て!』と何度も繰り返した」

と熱っぽく綴り

「オオタニが、この秋にどうするか、どのチームとどんな理由で契約するのかは誰にもわからない。
だが、もしファンが彼の決断に影響を与えることができるとすれば、いや、それはおそらくできないのだろうが、試してみる価値はあるだろう」

とファンの熱量が、大谷選手獲得に意味のあることと肯定的に論じました。

現地で直接このチャントを体験した、大谷選手の代理人を務めるネズ・バレロ氏は

「ウェーブのように広がっていった。驚いたし、凄かった」

と敵地ファンからのラブコールを興奮気味に振り返り

「これからどの球場に行っても、こういうコールがあるのではないだろうか?
“オークランドに来て”とか“クリーブランドに来て”とか。彼は今季後にFAだからね」

と、この異例のチャントが全米に伝播していくと予想しました。

現役最多410セーブを誇るレッドソックスのケンリー・ジャンセン投手も

「これからドジャースタジアムでも、きっとファンは同じことをするだろう。
ヤンキースタジアムでも、ボストンでもそうなるだろう。
オオタニは史上最高の選手だから。
誰もが彼の移籍先に興味がある。僕も彼とチームメートになりたいよ」

と大谷選手にラブコールを送っています。

キャリアの節目となるFAイヤーを迎えた今季、大谷選手はキャリア最高とも言える凄まじい活躍を果たしています。

後半戦71試合中、敵地では計11球団との対戦が予定されており、全米各地からの「Come to」コールと同時に、大谷選手のFA狂騒曲も加速していきそうです。


◆球宴スターたちに質問「投手・大谷」と「打者・大谷」どっちが凄い?

米スポーツメディア『FOXスポーツ』が、オールスター出場の15選手にアンケートを実施。

「大谷選手は投打どちらがすぐれているか?」

との質問に、9人が打者と答え、今季ホームランキングを独走する「打者・大谷」に軍配が上がりました。

「打者」と答えたブレーブスのスペンサー・ストライダー投手は

「打者として成し遂げていることは理解できない。どこにでも打てる。コンパクトなスイングでパワーがある。とても感心させられる」

と大絶賛。

レッズのアレクシス・ディアス投手も

「とにかく打ちまくっている。威圧感がある」

と、どこに投げても打たれそうな「打者・大谷」の風格について言及しました。

また、フィリーズのニック・カステヤノス外野手は

「毎日打者で出場し先発も務めることは、体が持たないと何人かのベテラン投手が言っていたことを覚えている」

と指摘した上で

「でも彼を称えないといけない。彼はその人たちが間違っていると証明したんだから」

と「打者・大谷」と答えながらも、投打でのフル回転に賛辞を送りました。

また、「投手」と答えたブルージェイズのジョーダン・ロマノ投手は

「対戦したくないから投手を選ぶ」

と切実な回答。

同じくツインズのソニー・グレイ投手も

「防御率3点台前半で、たくさんの三振を奪える!オオタニはヤバい男だ」

と答え、「投手・大谷」を絶賛しました。

「どちらも選べない」と答えた選手も4人を数え、レンジャーズのジョナ・ハイム捕手は

「マウンドでも、打席でもオオタニとは対決したくない」

と打者として対戦する上に、キャッチャーとしても「打者・大谷」と対峙しなくてはならない苦悩を告白。

ナショナルズのジョサイア・グレイ投手は

「どうやって(二刀流を)やるんだ?と思った。
でも毎年進化して、今では最初の5億ドル(約698億円)選手になる。見なければいけない選手だ」

と不可能を可能にした投打二刀流での活躍に賛辞を送りました。

回答結果は違えども、コメント内容は絶賛ばかり。

大谷選手が、オールスターに出場した選手の中でも突出した存在であることが分かります。

また、このアンケートには答えていませんが、レッドソックスのケンリー・ジャンセン投手も、大谷選手の二刀流に感銘を受けている一人。

球宴前にインタビューを受けたジャンセン投手は

「オオタニをリスペクトしている。彼の活躍を見ることができて、一緒にいられることは幸運だ。
二刀流選手だよ。26人枠のロースターにエンゼルスは27人いるような感じだ。投手であり、打てる打者でもある」

と目を輝かせ、大谷選手とともにオールスターの舞台に立てることを興奮気味にコメントしました。

さらに、大谷選手のFA問題については

「幸運を祈っている。うちのオーナーが1番の契約を提示することを期待している」

とファン目線でラブコールを送っています。


◆舞台裏で起きていた争奪戦「みんなオオタニと一緒にプレーしたい!」

今シーズンのオフにFAとなる大谷選手。

米メディアや現地識者から一野球ファンに至るまで、毎日のように移籍先や契約内容を予想するなど、単なる話題の域を超えた破格の注目度です。

球宴後のインタビューで

「他球団の選手から『来年うちにきて一緒にやろうぜ』って言われた選手はいますか?」

と問われた大谷選手は

「んー、まあ、秘密です。言われてても言えないですし(笑)」

と、はぐらかしていましたが、 ア・リーグを率いたアストロズのダスティー・ベイカー監督が

「本当のことを言えば、多くの人がオオタニに働きかけたと思うよ。彼を欲しがっているという愛情の表れだった」

と球宴の舞台裏で起きていた大谷争奪戦を匂わす発言をして、報道陣を沸き立たせました。

お察しのとおり、スタジアムのありとあらゆるところで、スター選手たちによる「二刀流争奪戦」が繰り広げられていたようです。

オールスターに出場した選手たちも、報道陣から大谷選手に関する質問攻めにあっており、移籍最有力候補のドジャース、ウィル・スミス捕手は

「(噂だと)95%うちにくるんでしょ?(笑)」

とジョークで切り返し、同じく移籍候補と噂されるメッツの千賀滉大投手も

「この(メッツの)帽子をかぶせてきます」

とノリノリで答えています。

また、5億ドル以上と巨額が予想される来季の契約金に話題が移ると、ロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手は

「投手、打者が3億ドルずつで、総額6億ドル(約845億円)」

と答え、ブルージェイズ・ジョーダン・ロマノ投手は

「俺なら6億ドル出すね。彼をハッピーな気分にさせるためにも10年6億ドルで」

と同じく6億ドルと即決回答。

オリオールズのオースティン・ヘイズ外野手に至っては

「自分の持っている全額を払うよ」

と、まさかのオール・インと答え、大谷選手の価値に最大限の評価を下しました。

この他にも、ブルージェイズのジョーダン・ロマノ投手、タイガースのマイケル・ローレンゼン投手、オリオールズのアドリー・ラッチマン捕手らが、口々に大谷選手へラブコールを送っています。


◆「僕らは勝てる」「オオタニには幸せになって欲しい」スター選手たちの熱烈歓迎

大谷選手の年俸予想が取り沙汰される一方で、お金以外の価値をコメントする選手も多く見られました。

レイズのシェーン・マクラナハン投手は

「僕らは試合にたくさん勝てるチームだよ」

と大谷選手が求める「勝利」を材料に猛アピール。

またブレーブスのオースティン・ライリー内野手も

「僕たちは毎年強豪としてプレーしている。毎年プレーオフでプレーするチャンスがある。
プレーする理由って、まさにそこだと思うよ。世界一になるためにプレーするんだ。
僕らには若い選手たちが揃っている。オオタニの力を活用できるんだ!」

とワールドシリーズ制覇を口にし、二刀流スターに熱烈なラブコールを送りました。

ジャイアンツのアレックス・カッブ投手も

「ショウヘイがどういう人なのか知っているから、お金の面は彼の優先するリストの中ではかなり下の方だと思う」

と指摘した上で

「僕らは世界一になることを最優先にするチームだ。
それを叶えるための術を知っている。過去に何度もそうしてきたからね。
オーナーは、必要なものが何であれ、喜んで資金を費やしてくれる。
一員になるのが本当に楽しい組織。家族(球団内の全ての人)を正しく扱う球団。
彼はここでプレーすれば居心地はすごくいいと思う」

と大谷選手が何よりも優先する「勝利の舞台」を約束しました。

エンゼルスと同地区、アストロズのカイル・タッカー外野手は

「僕だったら、自分自身と家族のためにやりたいことをする。一番大事なのがそれ。
だけど、ヒューストンは本当にいいところだよ。本拠地は(開閉式の)ドームだし、食べ物もすごくおいしい。本当にいいチームだよ」

と環境面について語り、同じくア・リーグ西地区レンジャーズのマーカス・セミエン内野手は

「(本拠地は)温度管理がしっかりしている。そして、彼がこれまですごく活躍してきた場所だよ。僕たちをなかなか痛い目に遭わせてきたからね。
チームは勝つことへの意欲がある。オーナーは僕らが勝つために必要なものは全て、可能な限り提供したいと思っているんだ」

と好調なチームの要因を明かし、強力なライバル「大谷翔平」との合流に期待を寄せました。

移籍先の最有力候補と噂されているドジャースのフレディ・フリーマン内野手は

「こんな選手今まで見たことがない。投打ともに最高の選手の1人だ。どう言葉で表現したらいいかわからない。
毎年オールスターになったらショウヘイについて聞かれるけど、まだ言葉が浮かんでこない。
そして、毎年進化しているね。とても、怖い相手だ」

と称賛した上で

「彼がドジャースに来たいなら、私は歓迎するよ。全30球団がショウヘイの加入を望んでいるはずさ」

と熱烈歓迎。同じくドジャースのムーキー・ベッツ外野手も

「もちろんオオタニにはドジャースに来てほしい。
しかし彼と彼の家族が(去就に関する決断について)満足するものであってほしい。幸せに感じることをしてほしい。
長期契約を結ぶことになるだろうし、大金も得るだろう。
しかしそれだけが彼を幸せにするわけではない。ただ単に幸せでいてほしいだけだよ」

と力を込めて語っています。

メジャー30球団を代表するスター選手たちから、熱烈なラブコールを受ける大谷翔平選手。

球宴後のインタビューにおいて、今オフのFAそして残り2週間と迫ったトレード期間について問われた大谷選手は

「(トレードは)個人的に気にすることはない。コントロールできないことなので。
(FAについても)僕自身なったことがないので、まだ全然分からない」

と明言を避け

「今はシーズンに集中している。できるだけ多くの勝利を収めて、ベストを尽くしたい」

と、まずは球宴明けのアストロズ戦、ヤンキース戦に目を向けました。

大谷選手が唯一求めているのは、「ヒリヒリした9月」を過ごし、そして勝利を手にしてプレーオフに進出すること。

大谷選手本人も

「年々思いが強くなっていますね。優勝したことがない以上は優勝したいと思うのが自然かなと思います」

とプレーオフ進出、そしてワールドチャンピオンへの思いを熱く語っています。

「ファンの人が僕自身も大好きですし、エンゼルスのことが好きで毎日見に来てくれる人たちもいるので」

と6年過ごしたエンゼルスへのチーム愛を語る大谷選手。

FAラストイヤーとなる大谷選手が、プレーオフの舞台で光り輝く姿を見たいですね。



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