エンゼルスの大谷翔平選手が21日、本拠地ロイヤルズ戦に「2番・投手兼DH」で先発出場し、7回2安打11奪三振、無失点の快投で3勝目を挙げました。
大谷選手は、今季ここまで5度の登板において、通算28回2失点、防御率0.64、38奪三振、被打率.092と圧巻の成績をマーク。
米スポーツ専門局『CBSスポーツ』のツイッターは、防御率はMLBトップ、奪三振数、被打率はア・リーグトップと紹介した上で
「おーそうだ、彼は4本塁打、11打点も記録している」
と投打に渡る活躍を大絶賛しました。
さらに、その被打率や被安打数は、シーズン最初の5回の先発登板において、MLB最小記録を更新。
投げるたびに歴史の扉をこじ開ける「投手・大谷」に対して、米メディアを中心に絶賛の嵐が巻き起こっています。
◆「ショウ・ストッパー」今季最多11奪三振にメディアが大喝采「完璧なピッチングだ」
初回、わずか12球で三者連続三振を奪う素晴らしい立ち上がりを見せると、2回以降も最速161キロの速球に加え、今季のウイニングショットになっているスイーパーや緩いカーブを織り交ぜ、相手打線を沈黙させました。
極め付きは6回からの2イニング。先頭打者に四球を与えましたが、その後はカーブを有効的に使って3者連続三振に斬って取ると、続く7回も3者連続三振。
なんと6者連続三振で、この日11個目の三振を奪うと、エンゼル・スタジアムの観客はスタンディングオベーションで「投手・大谷」を称えました。
この試合を中継したエンゼルスの地元放送局『バリースポーツ・ウエスト』実況席も大興奮。
実況のパトニック・オニール氏が
「6者連続三振。7回無失点、11奪三振。なんてパフォーマンスだ、ショウヘイ・オオタニ」
と驚きの言葉を並べたてると、解説を務めたエンゼルスOBのマーク・グビザ氏も
「信じられないほど圧倒的なパフォーマンス。中3日にも関わらず、とにかく並外れてますね。改めてですが、ショウヘイ・オオタニ、彼はこの世のものではありません」
と絶賛。
米スポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』の元記者ブレント・マグワイア氏が「圧倒的な投球」と驚きの声を上げると、『MLB公式サイト』も「オオタニの奇跡的な活躍」とこれ以上ない賛辞を送りました。
◆防御率は驚異の「0.64」「正気とは思えない」またも“新記録”を樹立!
今季ここまで5試合に登板し、抜群の安定感を見せている大谷選手。
防御率は驚異の0.64(ML1B位)で、38奪三振(AL1位)、奪三振率12.21(AL2位)、WHIP0.82(AL6位)と世界の強打者たちをねじ伏せています。
この圧巻のスタッツには、ピッチング・ニンジャの愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏も「この惑星で最も才能ある野球選手」と大絶賛。
米メディア『AP通信』のエンゼルス番グレッグ・ビーチャム記者は
「ショウヘイ・オオタニは今季28イニングで8安打、15四球、2失点。
彼は38奪三振で、これは見たところ現時点でメジャー最多。彼のシーズン防御率は0.64。要約:彼はエグい」
と締めくくりました。
米放送局『Fox Sports』の名物アナリストであるベン・バーランダー氏も
「ショウヘイ・オオタニは本当にバカげているよ!
5試合を終えての防御率は0.64。MLBの規定投球回に達している先発投手の中で最もいい数字だ!」
とツイッターで綴り、ロイヤルズ打線を完全沈黙させたピッチングに賛辞を贈りました。
エンゼルスの広報マネージャーを務めるマット・バーチ氏は
「ショウヘイ・オオタニの防御率0.64は、開幕からの5先発登板でのエンゼルス球団記録。
カーク・マッカスキル(1989年に防御率0.74)が以前の記録。
また、2022年の開幕以降、オオタニは2ケタ三振が12試合でメジャー最多だ」
と球団記録を更新したことを自身のツイッターで報じました。
これには世界中のファンからも絶賛コメントが相次ぎ、日本では「防御率0.64」がトレンド入りしました。
◆被打率「.092」被長打率「.115」大谷翔平がこじ開ける“歴史の扉”
開幕からフル回転で躍動する「投手・大谷」の快投。その驚愕のスタッツは防御率だけではありません。
『MLB公式サイト』のサラ・ラングス記者が
「ショウヘイ・オオタニは今年、対戦相手との被打率を.092に抑えている。
少なくとも1916年以来、シーズン最初の5先発で20イニング以上投げたピッチャーで最も低い数値だ」
と綴り、1999年デビッド・コーン投手がニューヨーク・ヤンキースで記録した被打率.102を超えたことを伝えました。
同記者はさらに
「たったの8本!これは1901年以来、シーズン最初の5回の先発登板では最少の記録だ」
と打たれた安打数も歴代最少であると紹介。
さらに打たれた8安打のうち、長打は僅か2本のみ。
被長打率「.115」も、1916年以降シーズン最初の5先発登板で、20イニング以上投げた投手のうち、最も低い記録だとしました。
同記者は、今シーズンの大谷選手の投打にわたる傑出した記録を示したうえで
「私たちはこれを目撃できて、とても幸運だ」
と歴史的な活躍に感嘆の声をあげました。
また、スポーツ専門局の『ESPN Stats&Info』は
「オオタニは過去9回の先発で1試合3本以下の安打しか許していない」
と昨季から続く記録に着目。
「これは1893年に現在の距離にマウンドが移動して以来、2番目に長い連続記録である。
大谷は2021年に記録したジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)の10試合連続を追うだけだ」
と記録的な快投を継続していることを言及。
さらに、米データ会社『コーディファイ・ベースボール』は
「オオタニは直近12先発登板で7点しか許していない。
しかも彼の投球はどんどん良くなり続けている。これは完全に異常だ」
と称え、試合の後半の大谷選手の投球に注目しました。
大谷選手はこれまでの5登板において、相手打線との対決が3回目以降となる試合後半に限ると、なんと24打数ノーヒット、15奪三振、被打率「.000」と、完全に抑え込んでいます。
試合の投球データや癖、さらには配球などのデータや映像が瞬時に手元に手に入るメジャーリーグにおいては、イニングが増せば増すほど、打者有利となり、疲労が蓄積する先発投手は不利になります。
それにも関わらず、大谷選手の場合は完全に真反対の結果となっています。
同メディアは「ありえないと思うでしょ?でも事実なんだ」と理解不能レベルであると絶賛しました。
投げるたびにありとあらゆる記録を生み出し、驚異的なスタッツを刻んでいく大谷選手の姿には、興奮を覚えずにはいられません。
◆魔球スイーパーと異次元カーブに全米も驚愕「とにかく不公平。理解不能」
中3日での登板となったこの日も、魔球「スイーパー」を軸に組み立て、初回を3者連続三振に斬って取る素晴らしいスタートを切りました。
MJ・メレンデス選手に対して、カウント1-2からの5球目のスイーパーは大きく曲がって内角低めへ。
体勢を崩されながらスイングするも、メレンデス選手のバットは空を切りました。
投球分析家ロブ・フリードマン氏が
「素晴らしい86マイル(約138.4キロ)のスイーパー」
と綴って動画をツイッターで公開すると、ファンからは「これはとにかく不公平」「大谷スイーパー相変わらずバケモン」と称えるコメントが寄せられました。
今季、大谷投手が効果的に投じているのが、平均落差は62インチ(約157.5センチ)の大きく縦に割れるカーブです。
この日の全102球のうちカーブは9球と割合は多くないですが、その威力は抜群。
元巨人の山口俊氏が
「3階から落ちてきているような感じでしょうね。出どころが2階、3階っていう感じ」
と評するように、この日投じたカーブは平均64インチ(約162.6センチ)、最大落差は76インチ(約193センチ)と、常識外の落差。
6回二死走者なしの場面で、MJ・メレンデス選手を1−2と追い込むと、最後は大きく縦に割れる114キロのカーブを投じます。
タイミングを完全に外されたメレンデス選手は空振りし膝をつきました。
投球分析家のロブ・フリードマン氏が
「73インチのドロップで時速71マイルのカーブボールを楽しんでいます。アメージング」
とコメントを添えて動画を投稿すると、ファンからは「このカーブの落差は私の身長以上」「どうやったら6フィートも落ちるのか」など驚愕のコメントが寄せられました。
この緩急差、そして一般人の身長以上の高低差。打者はたまったものじゃないでしょうね。
◆咄嗟の“頭脳プレー”を米称賛「彼の野球脳は凄い」
この試合では、圧巻の投球だけでなく、咄嗟の好判断でも異彩ぶりを発揮してみせました。
3回、先頭に単打を許した直後の無死一塁の場面。
ニコラス・ロペス選手の詰まった打球を一度はジャンプをして捕球しかけましたが、大谷選手はスルーの判断。
後ろを守るザック・ネト遊撃手に処理を任せ、見事併殺打に仕留めました。
実際に自分でも処理できる打球でしたが、それだと走者か打者どちらか一人しかアウトにできません。
試合後に
「(ネトは)送球も素晴らしいですし、グローブを引いたのも信頼の証なので。
併殺を取ってくれると思っていたので、素晴らしかったと思います」
と語った通り、大谷選手はネト選手の送球の速さを信頼し、どうするのがより良い結果になるかをとっさに判断したのです。
この頭脳プレーを投球分析家のロブ・フリードマン氏が
「ショウヘイはボールを処理しないことさえもエリートだ」
と称賛。ファンからも「これはWARには表れない」「彼の野球インテリジェンスは凄い」と驚きの声が寄せられました。
◆防御率0.64に敵将も脱帽「彼はスペシャルだ」
「投手・大谷」に完全に抑え込まれたロイヤルズのマット・クアトラーロ監督は試合後
「オオタニはスペシャルだ。グラウンドに出てくる日はほとんどいつでもね」
と称賛。続けて
「彼は初回から3者連続三振を奪った。
私たちの打撃はそこからの4イニングほどで良くなっていったと思うが、彼は最後まで踏ん張った。
私たちがまだ見ていなかったカーブを導入し、私たちのバランスを崩した。
彼は本当に数多くの武器を持っている。総じて、彼が相手だったことを考えれば良い打撃ができていたと思うが、十分ではなかった」
と要所で冴えを見せたカーブを褒め称え、話題のスイーパーについても
「素晴らしい球だ。彼はやろうと思ったことはなんでもできる人に見える。
スイーパーなしでフォーシームとスプリット中心に投げているところは見たことがある。
新たな武器だ。準備はできていた。よく投げていることは知っていたからね。ただ、生で見ると新しい球だ」
と振り返りました。
投げては7回11奪三振で無失点、打っても降板後の8回に安打を放つなど驚異的な二刀流パフォーマンスを見せる大谷選手の前には、敵将も脱帽の様子でした。
◆ウォラック捕手「全てがえぐかった」ネビン監督「いまのショウヘイは誰にも打てない」
この日、スタメンマスクをかぶり、先制2ランを放ったチャド・ウォラック捕手は
「今日のショウヘイは全てが機能していた。変化球に、速球、今夜に彼が投げた球は全てがえぐかったよ」
と、この日の大谷選手のピッチングを絶賛。
正捕手ローガン・オホッピー捕手の負傷離脱に伴って、急遽マイナーから昇格してきたウォーラック捕手も、メジャー屈指の剛腕が見せた快投に度肝を抜かれたようです。
エンゼルスのフィル・ネビン監督は試合後
「ショウヘイ・オオタニの初回は、今シーズン見たなかでも本当に圧倒的だった」
と手放しで激賞。
さらに6者連続三振に仕留めた7回の場面でのカーブに着目し
「カーブはショウヘイのもう一つの武器であり、それほど頻繁に使う球ではないかもしれない。でも、使った時はとても効果的な球となるんだ」
と、その効果を強調しました。
最後に同監督は
「まさに完璧なパフォーマンスだった。
いまのショウヘイは誰にも打てない。対戦しなくて良いことは幸運だと思った」
と緩急を使った配球で三振の山を築いた大谷選手のピッチングを改めて絶賛しました。
◆兜Tシャツパワー!ウォード・トラウト・大谷の3者連続弾
今季エンゼルスは、本塁打を打った打者に兜を被せる新セレモニーを導入。
これまでも、大谷選手やトラウト選手などが兜を被り、日米のファンを楽しませてくれています。
これに合わせて、今カードから赤のボディーに黒字の兜がプリントされた「兜Tシャツ」がお目見え。
早速このTシャツを着用し、試合前練習に臨んでいたテイラー・ウォード選手は
「気に入っているよ。着心地はいいし通気性もいい。涼しい。
とってもいいね。素晴らしいと思うよ。そっくりだ。日本語デザインも粋だね」
と笑顔でコメント。
Tシャツ効果かどうかは定かではありませんが、最終戦となった23日の対ロイヤルズ第3戦では、ウォード選手、トラウト選手、大谷選手による三者連続アーチが生まれました。
1-2とリードされた6回、先頭打者のウォード選手が、内角に入った初球のスイーパーを左翼席に運んで同点とすると、続くトラウト選手は0-2からの3球目、ボール気味のカットボールを強振して右中間の柵越えを果たしました。
そしてとどめは大谷選手。2-2からの5球目、真ん中低めに入ったカーブをとらえると、打球は右中間スタンドに飛び込びました。
米データ分析会社『コディファイ・ベースボール』公式ツイッターが
「ウォード、トラウト、オオタニ 3者連続!」
とつづり、3人がボールをインパクトした瞬間を並べた編集動画を公開。
3人目となる大谷選手がゆっくりとダイヤモンドを1周する一方で、ベンチのトラウト選手は大忙し。
一足先に自分がかぶっていたHRセレブレーション用の兜を取りに行き、そのままベンチ前へ。
いつもはフィリップス選手が担う“兜係”を買って出ると、笑顔で大谷選手に兜をかぶせポンと背中を叩きました。
この光景に日本人ファンは大喜び。ツイッター上には「兜の被せ方にトラウトの優しさが滲み出てて素敵だ」「大谷選手に兜を被せるために走る。そして誇らしげに被せる。こんなトラウトが大好き」などとコメントが寄せられました。
試合後、トラウト選手は
「ホームランを打った選手に僕があのハット(兜)をかぶせるのは初めてだったけど、クールなことだったよ。
ウォードが僕にくれて、僕がそれをショウにあげたんだからね」
と受け取った兜のバトンを大谷選手に繋げることができたことに喜びのコメントを残しました。
◆3者連続弾に敵将脱帽「リーグ最高級の打者。あれが彼らのすることだ」
ロイヤルズのクアトラーロ監督はカード1勝2敗の負け越しに対し
「私たちが負けた初戦、オオタニがとてつもないピッチングをした。
昨日は全体的に素晴らしいチームでの勝利だった。
今日はどちらに転んでもおかしくない試合だった……常に勝ち続けるのは難しい。ミスできる余地はとても少ないからね」
と振り返り、この日勝負を分けた3者連続弾については
「少なくとも2つは変化球だった。しかも2つは2ストライクからの球だった。だから彼らを称賛しなくてはいけない。
不利なカウントから彼らは良いスイングをした。彼らは本当に優れた打者だ。
リーグ最高級の打者3人との対戦だったんだ。あれが彼らのすることだ」
と追い込まれながら一発を放ったエンゼルス上位打線3人に脱帽。
ウォード、トラウト、大谷のエンゼルス3人衆を称えました。
エンゼルスのフィル・ネビン監督は、日米通算180本塁打となる5号ソロを放った大谷選手について
「いい光景だった。トラウトはもちろん、ショウヘイがまた打ってくれた。
全員がいいスイングをしてくれたので、結果に結びついた」
と満足気に語り
「昨日は苦い思いをしたが、今日勝つことができたことは明日につながる」
と主軸打者の活躍での勝利に、巻き返しへの手応えを感じているようでした。
チームは17連戦の真っ只中。ネビン監督は
「ショウヘイもそうだけど、人間だから疲れる。マイク(トラウト)も、ショウヘイも休養日は必要だ。
ヤンキース戦では打席内でキレがなかったけど、ここ2日間のマイクは私たちが知っているマイクだ」
と“トラウタニ砲”の復活に喜びを語りました。
投げるたびに異次元のパフォーマンスを見せる大谷翔平選手。
今季ここまでの防御率0.64は両リーグ1位、38奪三振、被打率.092もア・リーグトップの成績です。
ネビン監督が「今のショウヘイは誰にも打てない」と語るように、今季の大谷選手は、もはや無双状態といってよいでしょう。
圧巻の投球を見せる一方で、本塁打も5本放っており、月間MVPはもちろんのこと、早くもサイ・ヤング賞やMVPに推す声が上がっています。
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