◆「最高の打者に送られる栄誉」最終候補に3年連続ノミネート
現地10月6日、『MLB公式』が今シーズンのハンク・アーロン賞の候補選手を発表。
大谷選手は、2021年、22年に続いて3年連続でファイナリスト9名にノミネートされました。
ハンク・アーロン賞とは、両リーグから一名ずつ、シーズンで最も活躍した打者に送られる賞。
賞の名を冠するハンク・アーロン氏は、ブレーブスやブルワーズで23年間プレー。
首位打者2回、本塁打王4回、打点王4回とメジャーの歴史を代表するレジェンドスラッガーです。
ベーブ・ルース超えの通算755本塁打を放ち、6856塁打と2297打点はいまだ誰にも破られていません。
大谷選手は、21年は48発でア・リーグ本塁打王に輝いたブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、22年は同リーグ新記録の62発を放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)に受賞を阻まれていました。
しかし、今季は44発で日本人初の本塁打王となっており、初受賞の機運が高まっています。
対抗馬も、レンジャーズのコーリー・シーガー選手が打率.327(リーグ2位)、打点96(10位)と好位置につけている一方で、本塁打は33本とやや物足りない数字。
同じくレンジャーズのアドリス・ガルシア選手が本塁打39本(2位)、打点107(2位)と破壊力をアピールするも、打率は.245と大谷選手には遥かに及びません。
『MLB公式』のマニー・ランダワ記者は
「脇腹炎症と右肘手術のためシーズン最後の4週間を欠場したが、すでにセンセーショナルな二刀流キャリアのなかで最も攻撃的なものだった」
と今季の二刀流スターの活躍ぶりを紹介しています。
二度目となるシーズンMVPに加え、シルバースラッガー賞やエドガー・マルチネス賞、オールMLBチームなど、受賞ラッシュが期待される大谷選手。
本塁打王に輝いた今季は、2021年、22年を超える受賞数となることが確実視されています。
今回の動画では、シーズンオフでも話題を独占する大谷選手の賞レースや現地での反応、さらに盟友マイク・トラウト選手のロングインタビューなどをご紹介いたします。
◆「彼の仕事量に並ぶ者はいない」米放送局のMVP仮想投票で“満票選出”!
現地9月29日、米スポーツ専門局『FOX Sports』が、両リーグのMVP、サイ・ヤング賞、新人王、最優秀監督を占いました。
同メディアのライター4名、編集者2名の模擬投票で実施されたこの「仮想タイトルレース」において、大谷選手はア・リーグMVPに満票で選出。
同メディアは
「肘の靱帯を損傷したものの、ここ3年で2度目となるショウヘイ・オオタニのMVP受賞を妨げることはできない。
彼の仕事量に並ぶ者はいない」
と、その凄まじい働きぶりを賞賛し、MVP最有力候補と断言しました。
今季大谷選手は、打率.304、44本塁打、95打点と圧巻の数字を残した打撃三冠部門以外でも、
OPS1.066、長打率.654、出塁率.412、塁打数325と多くの部門でリーグトップをマーク。
これを132イニングを投げて10勝5敗、防御率3.14、167奪三振を記録した投手との二刀流で成し遂げました。
同メディアは
「オオタニはメジャー史上最もインパクトのある選手かもしれない」
と評し、3年連続でハイクオリティな二刀流プレーを披露したユニコーンに賛辞を送りました。
もし今回満場一致でのア・リーグMVPに輝けば、2021年に続いて2度めの満票受賞となり、これはMLB史上誰も成し得たことのない快挙です。
◆3年連続でチームMVP「笑ってしまうくらい凄いな」今季の記録リストにファン唖然
ワールドシリーズ終了後に発表されるシーズンMVPも気になるところですが、大谷選手はすでに2つのMVPを手中に収めています。
まず1つ目は、21年、22年に続き3年連続となったエンゼルス球団内のチームMVP。
これを受けて、エンゼルス球団広報のX(旧ツイッター)が
「オオタニの2023年の功績を振り返る」と綴り、大谷選手が今季成し遂げた偉業リストを公開しました。
バッター、ピッチャー、二刀流などのカテゴリーごとにまとめられたリストには、偉大な記録の数々がズラリ。
「打者・大谷」としては、リーグ1位となった本塁打や塁打数、長打率、長打数、出塁率、OPSに加え
「今季MLB最速で40本塁打に到達。MLBで今季唯一、6三塁打と34本塁打を記録(3年連続で記録、こちらもMLBで唯一)」
と大谷選手のパワーとスピードを称賛。
また、「投手・大谷」としては
「7月27日のタイガース戦ダブルヘッダー1試合目での自身初完封。
被打率.184はア・リーグトップ(投球回130イニング以上)。
20回2/3連続自責点ゼロで今季を終える。23先発のうち13先発で1失点以下を記録」
と支配的なピッチングを裏付ける記録が綴られました。
さらに特筆すべきは「二刀流」でのパフォーマンス。
メジャー史上初となる2年連続での「10勝&30本塁打」に加え、登板したすべての試合で「投手兼DH」のリアル二刀流出場を果たし、3度のサイクル安打未遂。
先発登板した試合では、打率.372、3二塁打、2三塁打、7本塁打、15打点と脅威的な二刀流プレーを披露しました。
大谷選手が駆け抜けた圧巻のシーズンを象徴する記録の数々には
「2桁勝利かつホームラン王はエグすぎる、数年前まで想像もできなかった」
「野球史上最も偉大なシーズンでは?」
「2023年の大谷選手の活躍まとめ 笑ってしまうくらい凄いな」
など称賛と驚きのコメントが続々と寄せられました。
◆「前例を打ち破る超越的なシーズン」米専門誌がMVPに選出!
大谷選手はチームMVPに加えて、米野球専門メディア『Baseball America』誌によるMVPにも選出されました。
両リーグ通じて一人のみが選ばれる同メディアのMVP、大谷選手は2021年にも選ばれており、今回で2度めの受賞です。
これまで複数回受賞したのは、バリー・ボンズ氏、アレックス・ロドリゲス氏、マイク・トラウト選手の3名しかいません。
大谷選手がまたしても、スーパーレジェンドたちに肩を並べることとなりました。
メジャーの世界で複数年結果を残し続けることはとても困難なこと。
しかし、大谷選手は投打においてハイクラスな成績を3シーズン連続で残し続けているのです。
同メディアは
「2021年にショウヘイ・オオタニがベースボール・アメリカのMVPに選ばれたのは、不可能だと思われていたことが実現可能だと証明したからだ。
その2年後、オオタニは右肘と脇腹を負傷してシーズンの最終月をほぼ欠場したにもかかわらず、2021年と2022年シーズンを上回る成績を収めた」
と2度の選出理由を説明した上で
「オオタニは野球界で最も危険な打者であると同時に、リーグで最も打つのが難しい投手で、これまで誰も達成したことがないレベルの支配力を持っていた。
前例にとらわれない超越的なシーズンを送ったオオタニは、2023年の最優秀メジャーリーガーだ」
と今季の投打に渡る躍動を大絶賛しました。
誰もが不可能と挑戦すらしなかった投打二刀流プレーを実現した2021年、前人未到の「投打W規定」を達成した2022年、そして10勝を挙げながら本塁打王に輝いた今シーズン。
近代野球100年の歴史の扉をこじ開けたユニコーンは、さらに進化を求め、誰も歩いたことのない道を歩み続けているのです。
◆「最強の戦友」マイク・トラウトが振り返る大谷翔平の6年間
大手メディア『ニューズウィーク日本版』が「2023年の大谷翔平」と題した特集号を発売。
エンゼルスのマイク・トラウト選手が、今季の驚異的なパフォーマンスと、ここに至るまでの6年間を総括するコメントを残しています。
まずトラウト選手は、今季の大谷選手について
「数字が全てを物語っている。ショウヘイは今季MVPの大本命だし、受賞するべきだ。ファンは彼のプレーを楽しみに見ているし、チームメイトもそれは同じ。僕は日々、彼のプレーに脱帽しているよ」
と手放しで絶賛しました。
大谷選手がメジャーデビューした2018年からチームメイトとして一番近くで接してきたトラウト選手。
「ショウヘイは鳴り物入りでメジャー入りし、僕らも試合のハイライト動画を見ていた。
だがあの頃の彼は、自分のプレーをまとめきれていなかった。才能にはとても恵まれていたが、若かった。それが今やっと、本領を発揮している」
とデビュー当時からそのポテンシャルの高さを評価した上で
「ショウヘイは野球選手としてあらゆる才能に恵まれている。
そうした才能を、ようやくまとまった形で発揮できるようになったんだ。
ほかの選手の癖を見極めたりして、勉強している。野球というゲームを真剣に学ぶ彼は、そばで見ていて楽しい」
と試行錯誤しながらも進化を続けてきた道のりを振り返りました。
今季の大谷選手の活躍には頼もしさすら感じていたようで
「いろいろ調整したんだと思う。6月の活躍は圧巻だった。テキサス・レンジャーズとの4連戦では4本のホームランを放ち、投手としても1勝を挙げた。
連戦であれだけの結果を出す打者を、僕はほとんど見たことがない」
と、この3年の快進撃をまるで自分のことのように喜びました。
さらに
「彼は6年前も今も、毎日勝つために球場にやって来る最高のチームメイトだ。
見てのとおり、ショウヘイの生活は野球が中心だ。でもあなた方に見えていないだけで、面白い奴だよ」
とクラブハウスや移動中の飛行機でチームメイトとゲームや漫画の話題で盛り上がる素の大谷選手についても明かしました。
また今オフの去就については
「移籍先についてあれこれ取り沙汰されているが、最終的には本人がどうしたいか。今後の去就について、ショウヘイは何も言わない」
と未だ不透明であるとのコメントにとどめました。
◆「5億ドルを下回れば驚きだ」 米メディアが脚光!「MLB史上最高額の契約を勝ち取るはず」
トラウト選手も言及していますが、現地では今オフFAとなる選手、それも大谷選手の去就の話題で持ちきりとなっています。
現地10月2日、米スポーツメディア『The Sporting News』が今オフの注目FA選手トップ10を発表。
1位にはエンゼルスの大谷選手が選ばれました。
同メディアは
「ショウヘイ・オオタニはFAの見出しのほとんどを占めるだろう。
来シーズン、どのチームを選択するのかは、これまでのFAにはなかった世界的な意味を持つ。
右肘の手術が盛り上がりに水を差した形だが、それでもMLB史上最高額の契約を勝ち取るはず。楽しみだ」
と大谷選手をFA注目度ナンバーワンと断言。
2024年には打者専念となるものの、大谷選手の極大の価値には影響はないとしました。
同じく米スポーツメディア『Yard barker』も、今オフでFAとなる見込みの主要選手について特集。
同メディアは25名のFA選手をランキング形式で紹介。
「2024年のMLBフリーエージェントには、ショウヘイ・オオタニを筆頭に数人のビッグネームがいる」
と、まずは大谷選手を1位に格付けし
「オオタニは肘の手術を受け、2024年にはDHの選択肢のみとなる可能性が高い。
この怪我が彼のフリーエージェンシーにどのような影響を与えるかは分からない」
と前置きしながらも
「今年2度目のMVPも有力のオオタニは、本塁打、出塁率などでア・リーグをリードし、怪我をする前はサイ・ヤング候補でもあった」
と投打での活躍を称賛。
今回の肘の怪我が、大谷選手の価値に大きく影響を与えるものではないとしています。
結ばれる契約についても
「世界で最も人気のある野球選手を起用することで得られるマーケティングの機会も加われば、5億ドルを下回るものは驚きだろう」
と類を見ない額となることを予想。
今オフのFA市場は、サンディエゴ・パドレスのブレイク・スネル投手、シカゴ・カブスのコディ・ベリンジャー選手など大物プレーヤーも注目されていますが、やはり話題の中心は稀代の二刀流スターとなっているようです。
◆投打で異次元「史上最も注目に値する個人シーズン」NY紙も畏敬の念
今オフのFA市場で最も注目を集める大谷選手。
地元西海岸はもちろんのこと、名門球団ひしめく東海岸からもラブコールが送られています。
米老舗メディア『New York Times』が
「ショウヘイ・オオタニは、メジャーリーグ史上最高の成績を残した年だったかもしれない。このような光景を再び見ることができるだろうか?」
と題した特集記事を掲載。
記事ではまず、開幕3戦目のアスレチックス戦に脚光を当て
「彼のスイングは打球速度116マイル(約186.6キロ)を記録し、飛距離447フィート(約136メートル)の特大ソロホームランを日本の広告看板を越えて右翼スタンドに叩き込んだ。これは特に驚異的なものだった」
と本塁打王の第一歩となった第1号アーチを振り返り、あらためて賛辞を送りました。
さらに記事は
「カリフォルニアのハリケーンと同じくらい珍しい現象であり、彼のような選手は存在しなかった」
と打者のみならず、投手としてもチームを牽引する姿を、猛烈なタイフーンに例えるほど絶賛。
さらに
「初めてメジャーに上がった2018年シーズン以来、オオタニは体が許す限り二刀流をマスターしてきた。
2021年にはアメリカン・リーグの最優秀選手となった。ほとんどの統計基準では、昨シーズンも同じような好成績を残しているが、今年は彼にとってこれまでで最高のシーズンであり、おそらく野球史上最も注目に値する個人シーズンとなった」
と断言。シーズンを重ねるごとに進化する二刀流のユニコーンに畏敬の念を贈りました。
ドジャースやメッツの他にも、マリナーズやジャイアンツなど様々な球団が移籍先候補として噂されています。
果たして、野球史上最高の二刀流スターを手中に収めるのは、どのチームになるでしょうか?
日本人初となる本塁打王に輝いた大谷翔平選手。
特大のアーチに注目が集まっていますが、打率や出塁率などほぼすべての打撃スタッツが、年を追うごとに向上を遂げています。
さらに投手としても史上初の2年連続「10勝&30本塁打」を成し遂げ、被打率はMLBトップと、今季も支配的なピッチングを披露。
今や大谷選手は、西海岸を飛び越えて全米中の野球関係者が最も注目する選手となっています。
名実ともにMLBの顔となった大谷選手。
自身二度目となるシーズンMVPや最高打者の称号「エドガー・マルチネス賞」などの賞レース、そして去就の行方と、これからもしばらくは球界の話題を独占しそうです。
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