ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、5月3日敵地カージナルス戦において「3番・投手兼DH」で出場し、チームの連勝に貢献しました。
侍ジャパンのチームメイト、ヌートバー選手との初対決や、元巨人マイコラス投手との投げ合いでも注目を浴びたこの試合。
5回を投げて2本の本塁打を浴びるなど4失点を喫する一方で、自己最多の13奪三振をマーク。
さらに打っては3安打1打点と気を吐き、セントルイスのファンの前で存在感を見せつけました。
今季ここまで両リーグトップとなる59奪三振。
さらにベーブ・ルースだけが持つ記録「通算500奪三振・100本塁打」を達成しました。
その圧倒的なパフォーマンスの前に
「とてつもなくすごいと言ってもまだ足りないくらいだ」
と敵将も脱帽。
敵地メディアも大絶賛しています。
またしてもMLBの歴史に名を刻んだ大谷選手の投球内容に加えて、昨季までとはひと味違うエンゼルスのチームメイトたちの活躍についてもご紹介いたします。
◆ヌートバー選手をスイーパー、スプリット、フォーシームで貫禄の3三振
日本ファンが待ち望んだ侍ジャパン対決がいきなり初回から実現。
「1番・右翼」で出場したラーズ・ヌートバー選手を迎えた大谷選手は、速球、スライダーと2球で追い込むと、最後はフルカウントから鋭いスイーパーで空振り三振に斬って取りました。
これには日本のファンから「容赦なく空振り三振。スライダーえぐっ」などの声が続々と寄せられました。
さらに続く2番ポール・ゴールドシュミット選手に対しても、98マイル(約157.7キロ)のフォーシームで空振り三振。
米メディア『Sporting News』などに寄稿するライアン・フェイガン記者は
「あそこまでプレートから離れた速球を、ゴールドシュミットがあんなスイングで空振りするなんて、誰も見たことがないだろう。オオタニはバッターを混乱させるんだ」
と昨季MVPの強打者ですら手玉に取る「投手・大谷」に感服するコメントを発しました。
その後、3番ノーラン・ゴーマン選手に中越え先制ソロを打たれたものの、アウト3つはすべて三振で初回を終えました。
3回に訪れたヌートバー選手との2度目の対決でも、スプリットで2打席連続の空振り三振。
カウント1-2から投じられた決め球スプリットの前に、ヌートバー選手もあえなく空振り、寂しそうに打席を後にしました。
このシーンを「ピッチング・ニンジャ」として知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏が
「ショウヘイ・オオタニの吐き気をもよおす89マイル(約143.2キロ)のスプリット。(ここまで)7つのアウト全てが三振」
と動画とともに投稿すると、ファンからはその切れ味を絶賛するコメントと共に、ヌートバー選手を応援する声も寄せられました。
リードで迎えた4回、スライダーに的を絞ってきたカージナルス打線に連打を浴び、3-4と逆転を許してしまいます。
しかしここからピッチングの組み立てを変えて後続を断ち切った大谷選手。
5回には、先頭のヌートバー選手を159キロのフォーシームで空振り三振に斬って取ると、2番ゴールドシュミット選手、4番アレナド選手からも三振を奪い、自己最多となる13奪三振を積み上げました。
今季7度目の登板となったこの日は、5回97球、3-4の1点ビハインドでマウンドを降りました。
大谷選手との初対決で3打席3三振を喫したヌートバー選手は試合後
「うまくいかなかった。ショウヘイが戦いに勝った。今シーズン後、彼がどこでプレーするのかはわからないが、また戦う機会があることにエキサイトしている。
彼と対戦するのはこの一度だけではない。彼が第1ラウンドに勝った。今日の彼はとてもよかったと思う」
と手も足も出なかった「投手・大谷」を称賛した上で
「いい投手と対戦した。彼はとてもいい球を持っている。おそらく世界最高の選手なのにはそれだけの理由があるということ。
ただ、(チームとしては)いい打席もあったことはポジティブに捉えられる」
と、チームの敗戦に悔しさをにじませました。
ヌートバー選手との初対決について、大谷選手は試合後
「回の先頭だったり1番を打っているので、そこは上位の前に出したくないなというところでは大事な打者かなと思います」
と、より一層注意していたことを明かした上で
「初打席もそうですし、狙ったところには行っていたかなと思うので、ヌートバーの打席に関しては思い通りに投球できていた方かなと思います」
と振り返り、出塁率の高いヌートバー選手を封じ込めたことを満足気に語りました。
◆驚異の奪三振マシーン!ベーブ・ルース以来「500奪三振 &100本塁打」を達成
この日、アウト15個のうち13個が三振と驚異の奪三振マシーンぶりを披露した大谷選手。
初対決が注目されたヌートバー選手のみならず、リーグ屈指の強打者、ゴールドシュミット選手やアレナド選手らカージナルスの先発選手9人全員から三振を奪いました。
5回97球で被安打5、2四球、2被弾、4失点。ビハインドの状態でマウンドを降りたため5勝目はお預けとなりましたが、今季の奪三振数を59まで伸ばしました。
エンゼルスで広報を務めるマット・バーチ氏も
「今日のオオタニの13奪三振は今季の投手最多。今季59奪三振はメジャー1位だ」
とツイッターで速報。
シーズンの162試合に換算すると308奪三振ペースとなり、キャリアハイとなった昨季の219を大きく上回っていると伝えました。
さらに大谷選手は、これまでメジャー通算134本塁打を放っており、ベーブ・ルース以来となる史上2人目の「500奪三振&100本塁打」という快挙を成し遂げました。
これにはファンも驚きを隠せず「そろそろ塗り替える記録がなくなりつつあるんかねえ?」など歓喜に湧くコメントがSNS上に続々寄せられました。
◆「狂った現実だ」自援護タイムリーなど猛打賞!敵地も大絶賛
13奪三振ながら4失点と「投手・大谷」としては良いところと悪いところが出た試合となった一方で、「打者・大谷」は3安打1打点と、その異能ぶりを発揮しました。
初回の第1打席で元巨人のマイルズ・マイコラス投手から一二塁間を抜くヒットを放つと、1-1で迎えた3回1死一、三塁の第2打席でも一二塁間を抜くヒット。
2打席続けて右翼手ヌートバー選手のもとに運び、今季10試合目のマルチ安打を記録しました。
自らを援護する勝ち越し打には、日本人ファンもSNS上で続々反応。打球方向に注目する声が続々と寄せられました。
さらに9回の第5打席でも中越え二塁打を放ち、5打数3安打1打点で打率は.307にアップ。
直近6試合で3度目となる猛打賞で好調ぶりをアピールしました。
エンゼルス地元メディア『オレンジカウンティー・レジスター』のジェフ・フレッチャー記者も
「エンジェルスの先発投手にとってはかならずしも素晴らしい夜ではなかったが、オオタニは13三振を奪って3安打を打っているんだ。やっぱり狂った現実だなと言わざるを得ないよ」
と二刀流スターのパフォーマンスにあらためて脱帽。
さらに敵地地元メディア『セントルイス・ディスパッチ』紙も
「カージナルス・ファンはついに“オオタニ”を体感した」
との見出しで、2ページにわたって大谷選手を特集。
「ユニホームを着た野球界のユニコーンだ」「永遠に残る瞬間だ」などと賛辞の言葉を並べた上で
「日本の天才はMVP、サイ・ヤング賞の有力候補だ。オオタニはまるでハーバード大学のクラスでトップの学生のように野球を研究し、鍛錬を積んでいる。
オオタニがビジターチームの一員として投げて打つ。それを目の当たりにすることは、一生忘れないスポーツ観戦体験となった」
と激賞しました。
『MLB公式サイト』も、5月4日に発表した「先発投手のパワーランキング」の最新版で、「投手・大谷」を4位にノミネートし
「2023年、ここまでMLB最多の奪三振59を記録している。対戦相手の被打率.125は、他の投手よりも29ポイント低い」
と、その突出したスタッツを強調して伝えた上で
「打席ではエリートスラッガー、マウンドではトップクラスのスターター(先発)と言えるパフォーマンスを発揮し、投打で驚きを与え続けている。
過去2回の登板では9失点を喫したものの、水曜日のカージナルス戦ではキャリアハイに並ぶ13奪三振を記録した」
と称賛のコメントを残しました。
◆「投打両方のスーパースター」「日米の架け橋だ」敵軍も“カリスマ性”に畏敬の念
記録を塗り替え続ける日本の偉才には、対戦相手も感服するしかありません。
大谷選手から先制ソロを放ったゴーマン選手は試合後
「オオタニを降板させてブルペンを引きずり出すために必要なことはやった。
彼は凄い投球をするから、ただただ真ん中に来る球を待っていた。
我々のプランは、彼にストライクゾーンの真ん中に投げさせ、失投を打つことだったんだ」
と「投手・大谷」に畏敬の念を払いながら、攻略のために練ったプランを明かしました。
また大谷選手に2安打を許した先発マイコラス投手は
「オオタニとの対戦をとても楽しみにしていた。日本に3年いたけど、彼と対戦する機会はなかったからね。打席に立つ彼を見られたのは楽しかったね」
と「打者・大谷」との初対決を振り返った上で
「彼がやっていることは球界にとって素晴らしいこと。野球という競技を成長させ、日本にいる才能に目を向けさせている。
彼が日米の架け橋となり、日本の選手がもっと米国にやってくると良いね」
と唯一無二の二刀流スターを絶賛しました。
カージナルスのオリバー・マーモル監督も
「投打両方のスーパースター。彼のやっていることを、とてつもなくすごいと言ってもまだ足りないくらいだ。
本当に有名人。彼の存在で、米国だけでなく国際的に野球が注目されるのは、非常に重要なことだ」
と投打で異次元のパフォーマンスを披露する二刀流スターに最大限の賛辞を送りました。
◆9回逆転3連勝!黒星の展開からの「逆なおエ」にファンも感動!
これまでは大谷選手の活躍がチームの結果に結びつかないことも多く、「なお、エンゼルスは……」の略語である「なおエ」がネット上で流行していました。
しかしこの日は、エースの乱調を中継ぎ陣と野手陣がカバー。エンゼルスは逆転勝ちで連勝を4に伸ばしました。
大谷選手の後を受けたチェイス・シルセス投手、ライアン・テペラ投手の救援陣が3イニングを無失点リレーで繋ぐと、最終回に代打ジェイク・ラム選手が相手守護神ジオバニー・ガイエゴス投手から本塁打を放ち、土壇場で同点に追いつきます。
さらにマイク・トラウト選手が勝ち越し弾を放つと、この日3本目のヒットで出塁した大谷選手も、4番アンソニー・レンドン選手の適時打で生還し、6−4とゲームをひっくり返しました。
最後は守護神カルロス・エステベス投手が無失点で締め、今季初となる同一カード3連勝を飾りました。
エースの今季初黒星を打ち消した上での劇的な逆転勝利に、SNS上では「逆なおエ」がトレンド入り。
ファンからは「いつものとは逆の意味の『なおエ』」など感動コメントが続々と集まりました。
◆「素晴らしいオフェンスでした」と自軍を称賛も「奪三振よりも悔しさが…」と冷静に分析
大谷選手は試合後のインタビューで
「素晴らしいオフェンスでした。とくに(同点とした)ラムの一発が大きかったですね」
と劇的勝利に喜びを語る一方で、自身のパフォーマンスについてはしっかりと反省。
「不用意に行ったところでホームランを打たれた。6回か7回までは投げたかったんですけど、5回までしか投げられなかったというところで言うと、奪三振よりもそこに悔しさが残るかなと思います」
と心情を明かし、キャリアハイとなる13奪三振よりも、5回限りで降板となったことに悔しさを滲ませました。
また3失点を喫した4回裏について振り返り
「(相手打線は)狙い球を絞って振ってきているという感じですかね。
打たれたのが全部長打になっているので、打球を上げさせてしまっているというところが、一番の今日の反省点かなと思います」
と冷静に修正点を分析しました。
こういった分析力と修正力の高さも大谷選手の魅力の一つ。
次回の登板ではさらにブラッシュアップした投球を見せてくれることでしょう。
◆指揮官「ショウヘイの仕事ぶりは素晴らしい」トラウトも13奪三振にびっくり
エンゼルスのフィル・ネビン監督は試合後
「素晴らしかった。相手にはいい打者が揃っているから。オオタニはスライダーを何度か外していたが、最後までしっかり投げ、3安打を放った。
彼の仕事ぶりは素晴らしい」
と投打に渡る大谷選手のパフォーマンスを称賛。
今季初のスイープを飾った自軍についても
「いいパフォーマンスがたくさんあった。見事な勝利だ」
と充実した表情を浮かべました。
地元放送局『バリー・スポーツ・ウェスト』のヒーローインタビューに登場したトラウト選手は
「(ラムは)代打でのタフな出場だったけど、良いスイングを決めて、試合を同点に戻してくれた。素晴らしかったね。
燃えたよ。9回に決められて良かったよ!ラムもブルペンも素晴らしかった」
と代打同点弾のラム選手や無失点で繋いだリリーフ陣に賛辞を送った上で、自身の勝ち越し弾にも喜びを語りました。
同局のレポーターのエリカ・ウェストンさんから
「ショウヘイ・オオタニは今夜13奪三振でしたが、野手陣が少し仕事をする必要がありました」
と振られると、びっくりして話を遮り
「13だって?ワオ!」
と、ウェストンさんの顔を二度見。
「13よ!自己最多。それでも、もはやいつものショウヘイって感じですが、攻撃面では得点できているし(負けていたとしても)常にチャンスがあるように感じますが」
と、ウェストンさんから問われると
「我々は選手層が厚い。誰が打席に立とうが粘って全力を尽くせば、良いことが起きるんだよ」
と土壇場での逆転勝利を誇らしげに語りました。
今季エンゼルスは、トラウト選手ら野手陣に加え、エステベス投手らリリーフ陣も奮闘。勝率5割以上をキープして、ア・リーグ西地区2位につけています。
大谷選手も、投手として4勝0敗、防御率2.54、奪三振59と圧巻のピッチングを見せる一方で、打者としても打率.307、7本塁打と好調をキープ。
投打においてキャリアハイとなる開幕ダッシュを見せ、「500奪三振・100本塁打」とまた一つ、ベーブ・ルースの領域に足を踏み入れました。
次はどんな凄いパフォーマンスを披露してくれるのか?その期待は高まるばかりです。
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