【大谷翔平】伝説の決勝戦で生まれた珍プレー好プレー!関係者が明かしたあの対決の裏側【WBC】
日本の14年ぶり3度目の優勝で幕を閉じた第5回ワールド・ベースボール・クラシック。
二刀流でフル回転し、投打に渡って侍ジャパンを牽引した大谷翔平選手が大会MVPを獲得しました。
米スポーツ専門局『FOXスポーツ』のMLB専門ツイッターが、今大会の大谷選手の活躍にフィーチャーした動画を公開。
「ショウヘイ・オオタニが2023年ワールド・ベースボール・クラシックでキラキラ輝いた。今大会の彼の最高の瞬間を振り返る」と題されたハイライト動画は、東京ドームで行われた1次ラウンドからスタート。
先発した中国戦で続々と三振を重ねる投手としての姿、オーストラリア戦で自身の顔が映った広告に直撃する特大アーチを放つ打者としての姿など、大谷選手の活躍が存分に詰め込まれました。
後半は舞台を米マイアミに移し、メキシコ戦で味方ベンチを煽る姿に続き、最後はあの名場面。
米国との決勝、9回からマウンドに上がるとエンゼルスの同僚スター、マイク・トラウト選手と対峙。
空振り三振を奪い、優勝を決めると、帽子とグラブを脱ぎ捨てて歓喜。
最後は、MVP表彰を受け日本代表のメンバーとともに記念写真に納まったシーンも盛り込まれ、大谷選手のWBC今大会の全てを収めた胸の熱くなる動画になっています。
163秒、名シーンの連続となった動画はまるで一本の短編映画。
これには日米のファンから
「ショウヘイ・オオタニはあまりにまぶしい」
「何度見ても思い出してウルウルする」
「今年公開のハリウッド映画ですか?」
「これは感動のショートムービー」
「永久保存版!編集がカッコ良すぎる!」
といった感動の声が寄せられました。
ところで、大谷選手を中心とした侍ジャパンの歓喜の輪の中には、牧秀悟選手、吉田正尚選手や水原一平通訳がやらかした珍プレーがあったことはご存知でしょうか?
また、未来永劫語り継がれるであろう名勝負「大谷vsトラウト」の裏側を、中村悠平捕手と栗山英樹監督が明かしています。
今回は、アメリカとの決勝戦、最終回に凝縮されたドラマをご紹介していきます。
◆牧選手の昇龍拳?吉田選手のパンダこけ?歓喜の輪で珍プレー
9回二死、トラウト選手を空振り三振に打ち取り、咆哮する大谷選手の周りには歓喜の輪が出来ましたが、この感動シーンの中で、面白い出来事が色々と起こっていました。
優勝の瞬間、侍ジャパンベンチから最初に飛び出したのが牧秀悟選手。
柵を飛び越えると、大谷選手へ一直線。右手を上げながら立役者に向かって飛びついていきます。
しかし、牧選手はなぜか大谷選手と抱き合わずにそのまま通過。くるりと回転した大谷選手は、女房役の中村悠平捕手とハグを交わしました。
ファンからは
「牧が大谷に昇龍拳してるのかと思った」
「牧を吹き飛ばす大谷」
「牧選手のアックスボンバー」
と、この光景を楽しむコメントが寄せられました。
ちなみに中村捕手はこの時
「大谷選手が最初にベンチの方見たので、抱きつくのは俺じゃねえのか?」
と思ったんだそうです。
さらにこの瞬間、よく見ると画面左端でずっこけている吉田正尚選手の姿も写り込んでいました。
決着の瞬間の日本ベンチを映し続けた映像を、『MLBヨーロッパ』の公式ツイッターが「WBCの最終アウトを捉えた、このアングル」と文面に記して公開。
感動の瞬間にこっそり隠された珍プレーに、日本のファンからは
「何回観ても良い」
「実は、左端で、吉田正尚はコケている」
「何度見ても良いマサタカコロリン&牧ダッシュ」
と続々と反響が寄せられました。
また、そのコケ方が愛嬌あるパンダに似ていたことから、吉田選手の元にはパンダの写真が数多く送られてきたそうです。
この映像は、今季から吉田選手が所属するボストン・レッドソックスのクラブハウスでも話題に。
チームメイトのエンリケ・ヘルナンデス選手には大笑いでいじられたそうで、吉田選手は
「あんなとこ撮られてると思わなかった。一番は、隣に一平さんがいて、ぶつかるかなっていうのと、勢いよくいくと脚が張ってたので、けがもあるなって思って、とっさに受け身をとっていた。
最善のパフォーマンスを出せたかと思います。苦渋の決断だと思います」
と苦笑交じりで語り、コケたのではなく体育の柔道の授業で習った受け身だと強調しました。
◆水原通訳「最後の場面はもう吐きそうでした。記憶ない」
裏方ではただ1人、ナインに混ざってこの歓喜の輪に加わっていたのが、通訳の水原一平氏。
柵を乗り越える際にコケてしまった吉田選手よりも早く、一目散に大谷選手の元へすさまじい勢いで駆けよると、大谷選手の周りを何度も飛び跳ね、喜びを爆発させました。
しかしその数秒後、水原氏は何事もなかったように、一瞬天を仰ぎ、クールな様子でベンチに。
この時のことを水原氏は
「あまり記憶なくて、気づいたら行っていたので、やばいと思って下がりました。
気づいたらやばいなと。後ろ見たらコーチも誰も来ていなかったので」
と苦笑いで振り返っています。
「大谷vsトラウト」のエンゼルス対決となった、日本1点リードの9回二死の場面には
「もう吐きそうでした。記憶がないくらいで…」
と語っており、勝利が決まった瞬間に、あまりの嬉しさで完全に我を忘れてしまったのでしょう。
水原氏は、普段はエンゼルスで大谷選手の通訳を務めていますが、今大会ではラーズ・ヌートバー選手や試合中の栗山監督と審判との通訳として代表チームに帯同。
そんな影の功労者にも優勝の金メダルが贈られ、水原氏は自身のインスタグラムで、WBCの金メダルとロゴが印字されたケース、選手のサインが書かれたWBCの公式球の画像を投稿しました。
投稿には「一生の宝物です」のコメントとともに「#最高のチーム」「#最高の仲間」とハッシュタグが添えられていました。
ファンからは
「一平、君がMVPだ」「まさに縁の下の力持ち。功労者に間違いありません」
「2026年も一平さんの召集期待してます」
など労いのコメントが寄せられました。
自らにとっても初となる代表メンバーと過ごした今大会について、水原氏は
「むちゃくちゃうれしいです。こんな楽しいこと今までなかったので」
と感無量の様子で語り
「終わったばっかりで頭の整理できてないですけど、間違いなく自分の人生で一番くらいの楽しい思い出。チームメートもめちゃくちゃいい子たちばかり。
翔平もあんなに楽しく野球しているの初めて見た。めちゃくちゃいい経験でした」
と振り返りました。
実はヌートバー選手と栗山監督のパイプ役となったのもこの水原氏。
今大会ではヌートバー選手の通訳として、選手間の円滑なコミュニケーションを支えました。
水原氏は
「ヌートバーがこれだけ受け入れられてチームに溶け込んだのが一番うれしい」
と語り
「勝ったのでね、自慢できますね」
と、シーズンインからは味方同士となるメキシコ代表のサンドバル投手やアメリカ代表のトラウト選手との再会を楽しみにしている様子でした。
◆WBC優勝で舞った鈴木誠也ユニに米メディア思わぬ勘違い?
今大会、一度は代表入りが決まるも、左脇腹の怪我で無念の離脱となった鈴木誠也選手。
侍ジャパンのベンチには鈴木選手のユニフォームが、同じく離脱した栗林良吏投手のユニホームと共に並べられていました。
優勝の瞬間には鈴木選手のユニフォームも歓喜の輪に加わっていたのですが、この様子を米スポーツ専門局『FOXスポーツ』のMLB専門ツイッターが
「日本代表がWBC優勝後にイチローのユニホームを持つ」
と投稿。
背番号51で「SUZUKI」と書いてあることから、日本のレジェンド、イチロー氏と思い込んでしまったようです。
これには日本のファンから
「それは鈴木誠也よ!」
「SUZUKI違いですwww」
「そら海外からしたらイチロー思うわなw」
と総ツッコミを受けていました。
鈴木選手のユニホームには、痛めた箇所に「×」の印がテープで貼られたり、「必勝」の鉢巻きが付けられたり、顔の部分に“変顔”の写真が貼りつけられるなど、試合の度にいじりが加えられており、連日鈴木選手の愛されっぷりが伝えられていました。
愛の溢れるユーモア。誰が貼ったのかもネット上で注目されていましたが、中国戦でダルビッシュ投手が貼り付けるようなそぶりを捉えた動画をファンが投稿。
ダルビッシュ投手もこれを引用ツイートし
「ついにバレてしまいました」
と泣き笑いの絵文字付きでつづり犯行を自白。
ただ、続く投稿で
「補足ですがこれは中国戦です。自分が投げた韓国戦は張られておらず、昨日は自分は何もしていないのに新たに貼られていました」
と新事実を明かし
「他にも犯人はいます!」
と、その後のいじりについては“複数犯”であることも訴えました。
グラウンド上での真剣な表情と、こういったお茶目な部分のギャップでも楽しませてくれた侍ジャパン。
本当にみんな仲がよく、チームとして一つとなっていたことがわかりますよね。
◆中村捕手の回顧。最後の1球は「気づいたらミットに…」
アメリカとの決勝戦、最後の一球を受けたのは、この日スタメンマスクをかぶった中村悠平捕手でした。
1点リードの9回二死走者なし。あと一人で世界一の痺れる場面。フルカウントからの勝負の一球に備えて腰を下ろした中村捕手は
「バッターにトラウトがいて、ピッチャーに翔平がいて。バックにはローンデポ・パークの景色があって。『これ…異様な雰囲気だな…』と凄く思った」
とマスク越しに見た景色をこう表現。
最後は外角スライダーで空振り三振。感覚的には
「その前の打者とは全然違う球が来ていた。最後要求したスライダー がスローモーションのように、気付いたらミットに球が入っていた」
と感慨深く振り返りました。
実は中村捕手は、大谷投手の球を受けるのはこの日が初めて。
「僕自身ブルペンでも1度も受けたことがなかったので、ベンチで甲斐捕手とちょっと話して、その後はマウンド上でまずサインの打ち合わせをすることになりました」
と、まさにスクランブル体制だったベンチ裏を明かしました。
8回にはカイル・シュワーバー選手に追撃となるソロ本塁打を打たれており、守備につく時の中村捕手は少し浮足立っていました。
しかしマウンドでの大谷選手の冷静さに救われたと言います。
「めちゃくちゃ落ち着いてましたよ。口調が凄く落ち着いていた」
と世界を席巻する二刀流スターの強靭なメンタルにも惚れ惚れ。
さらに、この時のマウンド上のやり取りについては
「基本的に大谷選手から『僕は真っすぐとスライダーとスプリットで組み立ててください』ということでした。
『甘めでいいのでどっしり構えてください』と言ってくれたので、それを聞いて僕は座っていました」
と、チームメイトのトラウト選手まで回るアメリカの強力打線相手に、球種を3つに限定していたことを明かしました。
先頭打者を四球で歩かせますが、続くムーキー・ベッツ選手を併殺に打ち取り、9回二死ランナーなし。
ホームランが出れば同点となる痺れる場面でトラウト選手を迎えます。
「9回の先頭バッターの初球に首を振ってスライダーを投げたんですよ。だから、意外とスライダーに自信があるんだなと思った」
と、この回の先頭のジェフ・マクニール選手に投じた初球140キロのスライダーが世界一の布石となったと語り、フルカウントからの6球目にもスライダーを選択します。
「スライダーが一番ベストなんじゃないかと自分の中で考えて選択したので、結果的にその球が素晴らしいベストピッチになって三振になってくれたので良かったです」
と世界一を懸けた舞台で、初めて実現したスーパースター同士の対決を振り返りました。
この日、先発の今永昇太投手から大谷投手まで、実に7人もの投手の球を受けた中村捕手は、この試合の影の立役者と言って良いでしょう。
「7人の投手をリードしましたけどそれぞれ素晴らしい投手ですし、彼らのストロングポイントを引き出してあげれば必ず抑えられると思っていたので、僕はその一心で受けていました」
と充実の表情を見せ
「翔平も言ってましたけど『メジャーリーガーへの憧れを捨てる』っていうのはすごく大事。ちゃんと攻めればあれぐらいの大打者でも抑えられるんだなと、すごく勉強になりました」
と、大谷選手が試合前の円陣でチームメイトに開口一番「憧れを捨てましょう」と語った名エピソードを回顧しました。
大音量のUSAコールが鳴り響く中、プレッシャーに打ち勝った証の3度目の世界一。
「かけがえのない1試合になりましたし、野球人生にとって本当に大きな財産になる」
とひときわ胸を張りました。
◆栗山監督「最後はあの2人しか超えられない」両エースに託した世界一への思い
栗山英樹監督も日本で行われた記者会見において、大谷選手のリリーフ登板の裏側を明かしてくれています。
栗山監督は
「最後の試合も…試合中にだいたい僕はこういうパターンで勝つならやりたいというのがあるんですけど、翔平から悠平とサイン交換してないっていうのを聞いて。
コーチに試合の合間にうまくそれだけやっといてって」
と苦笑交じりに語り、続けて
「もともと翔平ってブルペンで思い切り投げないタイプなんで。
ブルペンで捕ってても、本物を捕っていない可能性がある。あのレベルの捕手ならなんとかやってくれると信じていた。
だけど、毎回僕も投手変えるし、悠平も大変だったと思う。翔平も打席あるし。
結局、登板までその機会がなかったみたいで。それでもあの流れで言うと、捕手変える怖さはあったんでそのままいきました」
と打ち明け、ぶっつけ本番にもかかわらず、さすがの対応力を見せた中村捕手を褒め称えました。
栗山監督は、8回9回の「ダルビッシュ・大谷」リレーについても
「最終的に決まったのは当日。アメリカの地で終わるためにイメージした。やっつけるために抑えられるのはあの2人しかいなかった」
と世界一を決める“切り札”としての起用を思い描き続けていたことを明かしました。
2人の体の状態や、所属球団と起用法を話し合わなければならないなど多くの関門があったものの
「できるかできないかじゃない。やるかやらないか」
と実現に懸けた思いを口にしました。
プレッシャーの中で世界一を成し遂げた指揮官は
「最後はあの2人しか超えられない。マウンドに送る。そこまでは僕の仕事」
と柔和な表情で振り返り
「送り出した時点で、僕の仕事は終わった」
と最後の局面を日本球界が誇る二人のエースに託したことを明かしました。
世界中の野球ファンを興奮と感動の渦に巻き込んだ今大会。
トップアスリート達によるハイパフォーマンスはもちろんのこと、プレー以外で見せてくれた人間的な魅力でも、私たちを楽しませてくれました。
数々の名場面を生んだ背景には、世界の頂点を目指す選手や監督の熱い思いが込められています。
「野球は筋書きのないドラマ」
まさに奇跡のようなこの2週間は、10年後も20年後も語り継がれるに違いありません。
そして今現在も、アメリカ、日本、世界中の野球場で新しいドラマが生み出されているのです。
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