WBC第5回大会は、大谷翔平選手擁する日本代表が、決勝でアメリカ代表を打ち破り、14年ぶり3度目のチャンピオンに輝きました。
決勝戦における「大谷・トラウト対決」、準決勝における「吉田の同点3ラン」や「村上サヨナラ逆転打」など、さまざまなドラマが生まれ、連日の盛り上がりを見せた今大会。
選手たちの魅せてくれた熱いパフォーマンスは、私たち野球ファンの記憶にしっかりと刻みこまれました。
また、決勝戦前の円陣で大谷選手が行った声出しでの
「憧れてしまったら超えられない」
との言葉には、世界中のファンが感動。レジェンドのA・ロッド氏も感銘を受けたと告白しています。
この他にも、敗れたアメリカ・メキシコの両監督や、トラウト選手、サンドバル投手の感動コメントにも、多くの反響が寄せられています。
今回は、第5回WBC大会で生まれた数々の名シーン、名言をご紹介いたします。
◆侍ジャパンが演じた名場面もランクイン!「最も記憶に残る10の瞬間」
熱狂から一夜明けた現地3月22日、『MLB公式サイト』が「2023WBC 最も記憶に残る10の瞬間」と題した特集を掲載。
日本代表からは3選手の名シーンが取り上げられました。
やはり真っ先に挙げられたのが、最後の最後に実現した「大谷翔平vsマイク・トラウト対決」。
決勝の9回2死走者なしという局面で訪れたこの対戦は、大谷選手がトラウト選手から空振り三振を奪い、最高のフィナーレを迎えました。
同メディアは
「2023年大会最後のマッチアップでこれ以上の筋書きを立てるのは難しい」
と、コメントを添えています。
このシーンは、過去5大会における「WBCの感動の場面、歴代トップ10」でも1位に選ばれており、同メディアは
「今年のWBCで誰もが期待していた夢の対決が、大会で一番重要な場面で現実になった。まるで映画から出てきたようなシーンだった。ショウヘイ・オオタニ対マイク・トラウト。
おそらく世界で最も偉大な選手の2人が9回裏、ツーアウトで金メダルがかかっている状態で初めて対決する。
メジャーリーグではエンゼルスのチームメイト同士、WBCではアメリカ代表が侍ジャパンと対決し敵同士だ。
カウント3-2からオオタニは美しいスイーパーを放ちトラウトから三振を奪った。
ゲームオーバー。大会終了。日本は3回目のWBC優勝を果たした」
と紹介。球史に残る究極の対決を絶賛しました。
◆「WBC2009のイチローがだぶる」世界中が感動した村上の逆転サヨナラ打
準決勝・メキシコ戦の村上宗隆選手によるサヨナラ二塁打も、「2023WBC 最も記憶に残る10の瞬間」に選出されました。
1点ビハインドの9回無死一、ニ塁という場面で値千金の一打を放ち、劇的なエンディングとなったこのシーンについて、『MLB公式サイト』は
「日本vsメキシコの緊迫したスリリングな一戦は、これ以上ないほど刺激的な結末だった」
とコメントを添えて称賛。
土壇場で日本代表を決勝進出に導いたこの一打のインパクトは凄まじく、前述の「歴代トップ10」においても3位に選出されています。
8回表に2点を勝ち越された侍ジャパンは、3対4とビハインドを背負った状況で、メキシコの絶対的守護神ジオバニー・ガイエゴス投手と対峙。
ここで先頭の大谷選手が、初球の2シームを右中間へのツーベースを放って得点機を演出。塁上で何度も吠えチームメイトを鼓舞します。
続く吉田正尚選手が四球を選んで無死一、ニ塁とすると、この試合ここまで4打数ノーヒットで3三振と良いところがなかった村上選手に打席が回ります。
代打や送りバントも十分に考えられる状況で、日本ベンチの決断は強打。
この期待に奮起した村上選手は、ガイエゴス投手の151キロの4シームを弾き返すと、打球はセンターオーバー。
同点の大谷選手に続いて吉田選手の代走として一塁に送られていた周東佑京選手も一気に生還し、値千金のサヨナラ打となりました。
まさしく土壇場で執念の一打を放った若き主砲の活躍には、メキシコを拠点として各国の野球情報を発信しているスポーツメディア『Al Bat』も反応。
「ムネタカ・ムラカミとは何者か?」と題した記事を掲載し
「WBC準決勝のメキシコ戦で日本代表の勝利に貢献し、ヒーロースーツを身にまとった」
と称賛しました。
同メディアは、昨季の56本塁打、三冠王といった村上選手の成績にも触れた上で
「“日本の“アーロン・ジャッジと呼ばれ、MLBでの契約にも関心を持たれるようになった。日本側では彼らを決勝に進ませ、そしてメキシコ側ではタイトルの望みを絶たれた。ムネタカ・ムラカミ。23年のWBC準決勝で忘れられない名前だ」
と若き主砲を絶賛しました。
試合後のインタビューで
「何度も三振をして、何度も悔しい思いをして、そのなかでチームメイトが点をとって助けてくれて、最後に打席が回ってきた。
最後は僕が決めましたけど、本当にチーム一丸となった勝ちだと思ってますし、応えられてよかったです」
と語っていた通り、村上選手は好調の侍打線の中で一人不振にあえいでいました。
そして我慢強く起用し続けた栗山英樹監督の期待についに応え、歴史に残る大仕事をやってのけたのです。
このドラマ性と活躍ぶりを、14年前の第2回WBC大会決勝においてイチロー氏が生んだ感動シーンにだぶらせたファンも多かったようで、ツイッター上では「イチロー」が即座にトレンドワード入り。
SNS上では
「村上とイチローが重なった」
「あの興奮までよみがえったよ」
「同じセンターってところがグッと来た」
といったコメントが多数書き込まれました。
◆「野球界のジョーダン」チームを鼓舞するメンター・大谷翔平
劇的なサヨナラタイムリーを呼び込んだのは、先頭打者で逆転への口火を切るニ塁打を放った大谷選手でした。
チームが1点のビハインドを追っていた崖っぷちで、先頭打者を担った大谷選手は
「どんな打席でも、何点差でもやることは変わらない。投手が誰でも、基本的には変わらないのでシンプルにそのことだけ」
と打席に入ると、右中間への二塁打を放ちヘルメットを投げ捨てて激走、二塁上で咆哮を轟かせてダグアウトを鼓舞しました。
栗山英樹監督が
「野球小僧になりきった時に彼の素晴らしさが出る」
と、イタリア代表との準々決勝後に言った通りに、感情的に振る舞い、いわばメンターとしてチームを奮い立たせた大谷選手。
その出色の働きぶりには、“野球の本場”で目の肥えている米メディアの記者たちも脱帽するほかありません。
老舗専門誌『Sports Illustrated』のトム・ベルドゥッチ記者は
「野球界のマイケル・ジョーダンは、筋骨隆々の肉体から放つ技巧と映画のような華やかさで、過去5年のメジャーリーグでのプレーで見たこともないような表情で二塁に飛び込んだ」
と大谷選手を元NBAスターのスポーツ界のレジェンドになぞらえて、気迫のこもった二塁打を紹介。
さらに
「オオタニは地球上で最もエキサイティングな選手であり、この100年で野球界に起こった最高の存在は、ついにアメリカの地で勝利の瞬間を迎えた。
この勝利の瞬間は、日本にとって野球がどのような意味を持つのか、そしてオオタニが優勝を争う姿を見ることが、多くの人々にとってどのような意味を持つのか。そのすべてを物語っていた」
と大絶賛しています。
◆吉田正尚の“起死回生の3ラン”に米熱狂!13打点はWBC史上最多記録
「大谷vsトラウト」、「村上サヨナラ打」と並んで、「2023WBC 最も記憶に残る10の瞬間」に選ばれたのが、同じくメキシコ戦での吉田正尚選手の同点弾です。
3点ビハインドの7回裏、3番手ジョジョ・ロメロ投手に対し、2死から出塁した近藤健介選手と大谷選手が四球で出塁。
続く吉田選手はロメロ投手の5球目のチェンジアップを強振。
やや泳ぎながら右手一本でのスイングでしたが、これが右翼席への同点3ラン本塁打となりました。
米放送局『FOX Sports』のアナリストを務めるベン・バーランダー氏は
「マサタカ・ヨシダの3ランで同点に追いつく!!!なんてスイング。なんて瞬間だ」
と興奮を抑えきれずツイート。
このシーンを今大会の名シーンベスト10に選出した『MLB公式サイト』も
「投球が悪かったわけではない。ただマサタカ・ヨシダがそのように見せたのだ」
と吉田選手のバッティング技術に賛辞を送っています。
この3ランで吉田選手は13打点を記録。これまでは2017年の前回大会でオランダ代表のウラディミール・バレンティン選手が記録した12打点が最多記録でした。
米スポーツ専門局『ESPN』などに寄稿しているサラ・ラングス記者も
「ヨシダが13打点。これは1大会でのWBC史上最多記録だ」
と侍戦士による記録更新を伝えました。
今季からボストン・レッドソックスでメジャーデビューとなる吉田選手には、レギュラーシーズンでの活躍にも期待が寄せられています。
昨年12月にポスティングシステムを利用し、レッドソックスと5年総額9000万ドルという大型契約を結んだばかり。
米ミネソタ州の地元放送局『Northern News Now』でレポーターを務めているケビン・ムーア氏が
「ヨシダに9000万ドルは破格だ」
と今季の活躍に太鼓判。
米メディア『ジ・アスレチック』のジョーダン・ムーア記者も
「マサタカ・ヨシダがホームラン。彼は未来のレッドソックスのレジェンドだ」
と侍打線を牽引した吉田選手を絶賛しました。
米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者も
「マサタカ・ヨシダは今年、ボストン・レッドソックスで大活躍しそうだ」
と、メジャー1年目からその活躍に期待を寄せています。
同メディアのジョン・リー記者が
「レッドソックスのスプリングトレーニングの取材へ行ったとき、マサタカ・ヨシダに感動した。
彼は明らかに強く、バッティング練習では非常に安定してハードコンタクトをする。今シーズンはグリーンモンスターへよく打つだろうし、逆方向へも強打を放ってくれる」
と今季の活躍を占うと、東京ドームで開催された1次ラウンドから取材を重ねた『MLB公式サイト』のマイケル・クレア記者もこれに共感。
「東京ではヨシダに圧倒された。ボールに対して本当に素早く、鞭のようなスイングだ。そして運動神経も抜群。皆に愛される選手になりそうだ」
と絶賛しています。
このように多くの現地の記者が、吉田選手の今季のハイパフォーマンスに期待を寄せています。
◆「あなたのキャプテンになれて光栄」トラウトの感謝の言葉に世界中から大反響
数々の感動的な名シーンが生まれた第5回WBC大会。
決して忘れてはならないのが「素晴らしき敗者たち」の存在です。
エンゼルスの同僚である大谷選手との「球史に残る対決」で三振に終わり、最後のバッターとなったマイク・トラウト選手。
トラウト選手は、アメリカ代表のキャプテンとしてチームを牽引。
1次ラウンドのカナダ戦ではホームランを放ち、決勝でもシングルヒット性の当たりを好走塁で二塁打にするなど大会を通じて存在感を発揮しました。
敗戦となった決勝翌日にツイッターを更新したトラウト選手は
「この数週間が私にとって何を意味したかを言葉で要約するのは難しい。私はこのアメリカを代表する人生の時間を胸に持っていました!
そのエネルギーはエレクトリックで、WBCをいつも大切な一瞬にしてくれました。それでは皆さん、本当にありがとう。あなたがたのキャプテンになれて光栄でした」
と決勝当日の画像とともに感謝の想いを投稿。
チームを引っ張り、全米も熱狂した盟友との名勝負を繰り広げた“キャプテン・アメリカ”からの感謝の投稿に
「君こそ、キャプテンアメリカ」
「いまも史上最高だ」
「マイクと翔平に幸運を。マイク、君は野球が上手い」
「ベストを尽くしてくれて本当にありがとう」
「あなたはいつも私のキャプテンだ」
など世界中の野球ファンから900件以上のコメントが寄せられました。
◆メキシコ・サンドバル投手「ショウ、ありがとう。今夜は泣き寝入りだよ」
「エンゼルスの選手たちと対戦するのは特別ですね。普段は仲間として戦っていますし、お互いのことを知っている中で、お互いの国を代表して戦うのは特別なこと」
と大谷選手が語っていたように、今大会ではいつもは対決することの無いエンゼルスの選手たちとの「同門対決」にもファンの関心が集まっていました。
準々決勝のイタリア代表のディビッド・フレッチャー選手、決勝戦のマイク・トラウト選手と並んで注目を浴びていたのが、準決勝メキシコ戦で先発した左腕、パトリック・サンドバル投手です。
サンドバル投手は昨季27試合に登板し、ともにエンゼルスの先発ローテーションを守った、大谷選手にとっては「同じ釜の飯を食った」僚友。
シーズン中は共にキャッチボール相手でもあり、一緒に焼肉店に行くなど公私共に仲の良いことでも知られています。
試合前にサンドバル投手が
「オオタニ?誰?彼とは全く連絡とっていない。今は敵だから(笑)」
と挑発すると
「気をつけろよ。アリゾナに行く準備はできてるか?」
と大谷選手も皮肉で返すなど、お互いの手の内を知り合う二人の対決が話題となっていました。
試合は日本代表が勝利しましたが、サンドバル投手は5回途中まで投げて、無失点の6奪三振。
大谷選手を2打数無安打に抑え込む圧巻の投球を見せました。
試合後、大谷選手が公式インスタグラムを更新。
サヨナラの殊勲打を放った村上選手、そしてサンドバル投手との2ショットをそれぞれ掲載しました。
大谷選手は「あと一つ」と綴り、さらに英語で
「What a game!!:なんてゲームだ
What a swing Mune!!:なんてスイングだムネ
What a pitching performance Sandy!!:なんて投球だサンディ」
と書き添えて、両選手のパフォーマンスを称えました。
この熱いエールにサンドバル投手本人もすぐさま呼応。コメント欄に
「ショウ、ありがとう。今夜は泣き寝入りだよ」
とジョーク交じりに書き込み、あらためて二人の仲の良さを垣間見せました。
コメント欄には
「勇気と感動をもらいました」
「サンドバルとの写真サイコー」
「しっかりサンディも持ち上げてて素晴らしい」
と両者の清々しいスポーツマンシップに賛辞の言葉が寄せられました。
◆「今夜は野球界の勝利」敵将の言葉に世界中が感動
準決勝、決勝において日本代表に敗れた両監督の言葉にも、世界中から賛辞が寄せられています。
アメリカ代表のマーク・デローサ監督は、試合後の会見で、クローザーとして異例の登板を果たした大谷選手について
「彼はスポーツ界のユニコーンだ。おそらくここから他の選手も二刀流に挑戦すると思うが、彼のレベルまでやれる選手はいないだろう」
と脱帽。そのうえで
「すべてが筋書き通りの展開だった。逆になればいいのにって思ったけど、日本が素晴らしかった」
と侍ジャパンを称賛し、最後に
「今日は野球界の勝利だと言っていい」
と締めくくり、大一番を落とした悔しさを噛みしめながらも胸を張りました。
また、準決勝においてサヨナラ負けを喫したメキシコ代表のベンハミン・ヒル監督も
「オオタニは世界最高の野球選手というだけでなく、世界最高の選手かもしれない。つまり、彼は史上最高のアスリートかもしれないということだ」
と大谷選手を激賞。
ヒル監督は、昨季よりエンゼルスの一塁コーチも務めるなど、大谷選手を熟知し、準決勝の先発には同じくエンゼルスの左腕サンドバル投手を送り込み、侍打線を苦しめました。
メキシコチーム初の決勝進出という偉業を逃したヒル監督は
「これが野球。日本チームに帽子を脱ぐしかない」
と最後の最後に勝利を手繰り寄せた侍ジャパンを称賛した上で
「日本が決勝に進んだが、今夜の勝者は野球界そのものだ」
と締めくくり、野球の魅力が詰まった名勝負を演じた両ナインを称えました。
ヒル監督のコメントを、米『FOXニュース』のツイッターが、100点満点の絵文字を添えて投稿。
コメント欄も
「なんという粋なコメント」
「メキシコは本当に素晴らしいチームだった」
「ありがとうメキシコ、そして野球にありがとう」
と日本、メキシコだけでなく、世界中の野球ファンから感動の声が殺到しました。
◆大谷翔平の“名演説”は「鳥肌もの」全米に広がる感動の声
決勝戦の試合直前、大谷選手が侍ナインを鼓舞した「声出し」が注目を浴びています。
アメリカとの最終決戦に直面し、ここまで日本代表を導いていた栗山英樹監督は
「翔平、お願いします」
と最後の決戦を前にした声出し役に二刀流スターを指名。
大役を任された大谷選手は円陣の中心に立ち
「憧れるのを、やめましょう」
と話し始めると
「ファーストにゴールドシュミットがいたりとか、センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたりとか。
野球やっていれば誰しもが聞いたことがあるような選手たちがいると思うんですけど、今日1日だけは、やっぱ憧れてしまったら超えられないんで。
今日、超えるためにトップになるために来たんで。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こう!!」
と今日だけは憧れを捨てて真っ向から勝負しようと、チームのモチベーションを高めました。
リーグMVP、投打W規定到達などメジャーを席巻する大谷選手の言葉に侍ナインも発奮。見事対等に渡り合い、そして勝利を手にしました。
この「名演説」に、米国のメディアも一斉に反応。多くの感動の声が寄せられています。
スポーツ局『FOXスポーツ』が
「日本が米国を撃破する前、ショウヘイ・オオタニが試合前の英雄的なスピーチを送る」
と称賛。
全国紙の『USAトゥデイ』も
「オオタニが情熱の込もったスピーチをした!」
と紹介し、同じく『USAトゥデイ』のスポーツサイト『フォー・ザ・ウィン』も
「かなり感動的な激励だ!」
と絶賛のコメントを添えました。
さらにスポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』のマーク・クレイグ氏は、トラウト斬りで世界一に輝いたことについても触れた上で
「すげえ、アメージングだ」
と自身のツイッターに感想を綴りました。
米老舗メディアの『スポーティング・ニュース』は
「WBC決勝の前にショウヘイ・オオタニが日本チームに送ったスピーチが、鳥肌ものだろう」
と大谷選手のリーダーシップに感服。
ヤンキースの地元メディア『ニューヨーク・ポスト』も
「ショウヘイ・オオタニが侍ジャパンへ気持ちを奮い立たせるWBCのスピーチを送る。エンゼルスのスーパースターが、侍ジャパンで声を出してリーダーシップを発揮した」
と伝えるなど、大谷選手が仲間を鼓舞した姿には、絶賛の声が寄せられました。
◆17年前のイチローの言葉が蘇る!レジェンドも感服
大谷選手が仲間を鼓舞した際、ロッカールームの中心にはイチロー氏のマーリンズ時代のユニホームが飾られていました。
決勝戦が行われたローンデポ・パークはマイアミ・マーリンズの本拠地球場。
イチロー氏は、2015年に移籍したマーリンズでは大リーグ通算3000本安打を達成。
今でもその功績をたたえて背番号51のユニホームが飾られており、今回侍ジャパンのロッカールームには、その額に入ったオレンジ色のユニホームが運び込まれていました。
「大谷選手の声出しが、17年前のイチローさんの言葉と同じだった」
と語るのは、WBC第1回優勝メンバーの川﨑宗則氏です。
川崎氏は、2006年の第1回大会当時イチロー氏がチームメイトにかけた
「絶対に浮ついちゃダメ。俺らが一番だ。胸を張ってメジャーリーガーに臆することはない」
とのコメントを紹介。
イチロー氏のこの言葉が、アレックス・ロドリゲス、デレク・ジーター、ケン・グリフィーJr.など、メジャーのスター選手が揃ったアメリカに臆することなく、立ち向かうことができたと明かしました。
17年前の日本代表を引っ張ったチームリーダーの面影と重ね合わさった大谷選手の言葉は、ドラマチックな激闘とともに永遠に語り継がれるものとなるに違いありません。
大谷選手による「伝説の声出し」には、17年前にWBCに出場したロドリゲス氏本人も大きな感銘を受けたと語っています。
米スポーツ専門局『FOX Sports』で解説を務めたロドリゲス氏は、試合後のハイライト番組の中で
「間違いなくスーパーヒーローのような君の活躍は私にとっても最高だった」
と、まず大谷選手を祝福。さらに続けて
「しかし私が一番感銘を覚えたのは、君が同僚に送ったスピーチなんだ。それについて少し詳しく聞かせてくれないか?」
と問いかけました。
MLB通算696発を誇る元ヤンキースのレジェンドからの質問に、大谷選手は
「野球をやっていれば誰もが知っている、一番耳にしたことのある選手たちが1~9番まで並んでいる。
ベンチにも素晴らしい選手たちが並んでいるので、何も考えないと、やっぱり『あ、マイク・トラウトだ』とかリスペクトの気持ちが受け身の形になってしまうので、そこだけ本当に『負けないんだ』っていう気持ちを持っていきたいなと思っていました」
と声出しに込めた想いを明かしました。
大谷選手の返答に納得と満足の表情を浮かべたロドリゲス氏は
「この勝利は日本にどういう意味をもたらすと思うか?」
とつづけて質問。これに大谷選手は
「本当に僕ら日本人はアメリカの野球をリスペクトしています。彼らの野球っていうものを見本にしてこれまで頑張ってきた。今日はたまたま勝ちましたけど、もっと高みを目指していきたい」
と5年間プレーしてきたアメリカへの敬意を示した上で、さらなる成長を誓いました。
大谷選手による清々しい言葉の数々には、ロドリゲス氏も驚嘆。
「僕は本当にショウヘイを尊敬しているよ」
と賛辞を贈るばかりでした。
◆世界一でも忘れぬ“敬意”「どこが勝っても不思議ではない」
投手と指名打者でのベストナインに選出され、投打二刀流の活躍でチームを優勝に導き、大会MVPに輝いた大谷選手。
試合後に行われた「MVP会見」でも“らしさ全開”のコメントを残しています。
まずは、少年の頃から目指してきた舞台への憧れについて触れ
「第1回大会から先輩たちが素晴らしいゲームをしていた。実際に見てきて、ここでやりたいなと思わせてもらったのが一番大きいこと。
子どもの頃から優勝を見てきて、自分もこうなりたいと思って頑張ってきた」
と、2006年、2009年とWBCを連覇した先輩たちへのリスペクトを語りました。
さらに、対戦した相手チームについても
「今回は運良く勝つことができましたけど、どこが勝っても不思議ではない。各国とも素晴らしい選手が集まっていた。
日本以外の試合も見ましたけど、野球界の前進を感じた試合だったと思います」
と自身初のWBC大会の中で、世界の野球レベルの高さを実感したと明かした上で
「点差が開いた試合はありましたけど、そこまでの差はなかったなと正直思っています。
台湾、韓国、中国に限らず、各国にチャンスがあるというのは実力が拮抗しているということ。素晴らしい大会だったと思います」
とライバル国へ敬意を表しました。
恩師の栗山英樹監督については
「2016年に日本一になりましたけど、また一緒に野球をするとは思ってなかった。
いい経験をさせてもらいましたし、最終的に最高の形で終わることができて、素晴らしい大会、自分にとって最高の経験になったと思います」
と感謝の言葉を述べました。
最後に、WBCという大舞台で優勝、そしてMVPに選出されたことについて
「間違いなく今までの中でベストな瞬間じゃないかなと思います。今日勝ったからと言って、その目標が達成されているわけではない。
これは1つの通過点として、もっともっと頑張っていきたいですし、これからシーズン始まるので、そこに向かっていきたい」
と、あくまでも通過点と語りました。
世界中の野球ファンを感動の渦に巻き込んだ大谷選手。
世界最強選手の称号を手にしても、決して満足したり、うぬぼれたりすることはありません。
2023年シーズン、大谷選手、トラウト選手やサンドバル投手らWBC戦士の活躍で、エンゼルスがワールドシリーズに進出する姿が見たいですよね。
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