大谷翔平選手が、メジャーリーグで最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」を受賞。

日本人初となる3年連続での受賞は、2003年~2007年に5年連続で獲得したデイビッド・オルティス以来、メジャー史上2人目の快挙となりました。

今季、大谷選手は135試合に出場し、497打数151安打、打率.304、44本塁打、95打点をマーク。

日本選手初の本塁打王を獲得するとともに、3年連続で規定打席にも達し、自身初となる打率3割の大台に乗せました。

満票のア・リーグMVP、打撃のベストナインにあたるシルバースラッガー賞などに続き、大谷選手が今季獲得したタイトルはこれで8冠目。

そして現地12月9日、大谷選手が自身のSNSでロサンゼルス・ドジャースへの入団を報告。

過去10年で地区優勝9回、2020年には球団7度目のワールドチャンピオンに輝いた常勝軍団で、いまだ見ぬ頂点を目指すこととなりました。

現地の識者たちは、ベッツ選手やフリーマン選手といったMVPプレーヤーと共に闘うことで、大谷選手の打棒はさらにレベルアップすると予想。

打撃三冠部門を始めとしたあらゆる成績が、キャリアハイとなった2023年シーズンを上回ると言われています。


◆最優秀指名打者賞に3年連続選出!「どこでプレーすることになっても、彼は実力を発揮する」

「エドガー・マルティネス賞」とは、メジャーでそのシーズンに最も活躍した指名打者に、両リーグ通じて1人だけに贈られる賞。

DHで年間100打数以上の選手が対象で、担当記者、放送関係者、球団広報担当者の投票で決まります。

その名を冠するエドガー・マルティネス氏は、マリナーズ一筋で2004年まで18年プレーし、首位打者2度、打点王1度など輝かしい成績を残し、2019年には米野球殿堂入りを果たしました。

これまで「最優秀指名打者賞」とされていた同賞でしたが、同氏の活躍をたたえ2004年に現在の名称に改称されました。

大谷選手が同賞を受賞したとの報を受け、米メディア『CBS Sports』が

「オオタニがエドガー・マルティネス賞で3年連続の受賞。過去にこの賞を3年連続で獲得しているのは、2003年から07年まで5年連続で受賞したデイビッド・オルティスだけ」

と即座に反応するとともに、歴代の複数回受賞者を共有しました。

受賞回数で大谷選手を超えるのは、前述のオルティス氏(8回)を除くと同賞を冠するエドガー・マルティネス氏(5回)のみ。

さらにいえば、2021年までナ・リーグでは指名打者制が採用されていなかったため、それまではア・リーグからしか選ばれていません。

同賞の候補者が2倍に増えた2022年、23年の連続受賞は、より一層の価値があると言えます。

同メディアは

「この賞を巡っては、ヨルダン・アルバレス(アストロズ)、マーセル・オズーナ(ブレーブス)など、競争相手がいたが、オオタニを選ぶのは容易で明白だった」

と「打者・大谷」を手放しで称賛。

今季大谷選手は、44本塁打を放って日本人選手初の本塁打王を獲得したほか、打率.304、出塁率.412、長打率.654、OPS1.066、151安打、8三塁打は、いずれも全DH選手中トップの成績。

大谷選手が現時点でMLB最強の指名打者であることは明らかです。

これを投打二刀流で成し遂げたのですから、どれだけ大谷選手が規格外の選手であるか?おわかりいただけるかと思います。

同メディアは

「この男は、間違いなくマルティネスに挑むチャンスがあり、いつかオルティスの8回受賞にも並ぶやもしれない」

と続け、二刀流のユニコーンによる“レジェンド超え”にも期待を寄せました。

同賞に名を冠するエドガー・マルティネス氏も

「オオタニは驚くべき選手。この3年間で、彼がどれほど傑出した打者なのか明らかになった」

と高水準の打撃成績をマークした大谷選手を称賛した上で

「しかも、これが頂点ではないだろう」

と、より一層の活躍に期待を寄せています。

マルティネス氏の現役晩年の2000年代は、俊足巧打タイプのイチロー氏が同僚で、同時期には松井秀喜氏がヤンキースでプレーしていました。

同氏は

「マツイは強打者だったが、外野手の間を抜くタイプ。オオタニにはメジャーの長距離砲と遜色ないパワーがあり、技術もある。打席で落ち着いているから打率も上がる」

と海の向こうからやってきた『ゴジラ松井』をも上回るパワーと技術を高く評価。

「DHで難しいのは試合中に集中力を保つこと。オオタニは日本時代を含めて長く経験しているから、しっかりしたルーティンがあるのだろう。
来季どこでプレーすることになっても、彼は実力を発揮するだろう」

と新天地での活躍についても太鼓判を押しています。


◆「打者のみでもMVPだった?」打撃指標は軒並みリーグトップ

投げては10勝、打っては本塁打王と、2023年シーズンも投打二刀流プレーで、メジャーの舞台を席巻した大谷選手。

打のベストナイン「シルバースラッガー賞」のDH部門に続いて、MLB最高の指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス」賞を受賞しました。

過去3年間は2021年と2023年にMVPに輝き、2022年もアーロン・ジャッジ選手にMVPは譲ったものの記者投票2位にランク。

米メディアの中には

「他の選手がMVPを狙えるのは、(大谷選手が打者のみで出場する)2024シーズンが最後のチャンスになるだろう」

と揶揄する記者もいるほどです。

確かに大谷選手の1番の魅力といえば、唯一無二の投打二刀流プレーと答える人がほとんどでしょう。

もちろんそれはその通りなのですが、ここで声を大にしてお伝えしておきたいのが

「2023年シーズンの大谷選手は、打者だけでも間違いなくMVP有力候補に入っていた」

ということです。

実は今季の大谷選手は、リーグトップの本塁打数以外でも、様々な指標においてMLB、もしくはア・リーグのトップに立っています。

まず1つ目が、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して、選手の貢献度を表す「WAR」という数値。

米データ会社『Fan Graphs』によれば、2023年シーズンの大谷選手のWARは9.0でMLBトップでした。

これは投打合わせた数値なので、大谷選手が若干有利なのかと思いきや、打者のみのWARでも6.6とMLB全体5位。

1位から4位までは全てナ・リーグの選手だったので、「打者・大谷」のWARはア・リーグ単独1位ということになります。

次に注目したいのが、出塁率と長打率を足し合わせた「OPS」という数値。

この数値が大きいほど、攻撃面において優れた野手ということになります。

今季の大谷選手のOPSはMLBトップの1.066。

また全体のOPSの平均を100として評価する指標「OPS+」においても、大谷選手は184と今季のメジャーリーガーの中で1位です。

今季の大谷選手は打撃だけでMVPに選ばれてもおかしくない成績を残していたことがわかります。

スポーツライターの菊地慶剛氏は

「大谷選手の打撃は、今もシーズンを重ねるごとに進化し続けている」

と大谷選手の「成長力」に注目。

キャリアハイの成績を支えたその進化スピードに驚きの声を上げています。

同氏は、大谷選手の過去3年間のコース別打率と長打率をチャート化した図を用いて

「2021年はストライクゾーン内でも得手不得手がありましたが、2022年になると外角以外のストライクゾーンは確実に捉えられるようになり、2023年はさらに進化を遂げ、ストライクゾーンの打ち損じはほぼなくなり、しかも高めのボール球ですらもしっかり捉えられるようになっています」

と苦手コースを克服した過程を説明。

大谷選手がしっかりと課題を持ちながら打撃に取り組んでいることがわかります。

2024年は肘の手術明けとなり、打者に専念する1年となる大谷選手。

「どこに投げても打たれる」とメジャーの投手たちを震え上がらせたバッティングが、さらに強化されることが予想されます。

同氏は

「来年、大谷選手の打撃は手がつけられなくなってしまうのではないか。昨シーズンは自身初の打率3割超えを達成しているが、来シーズンさらに打率が上がっていくことになれば、三冠王獲得も決して夢物語ではないような気がする」

と「打者・大谷」のさらなるモンスター化を予想しています。

二刀流プレーを見ることのできない来シーズン、日本人選手初の三冠王、そしてリーグをまたいでの連続MVPが見られるかもしれません。


◆来季は三冠王も?「3割超えは偶然ではない」飛躍的に向上した大谷翔平の打撃力

米メディア『MLB公式』のデビッド・アドラー記者も、大谷選手の打撃の進化に言及した記事を配信しています。

同記者は

「いまのオオタニはルーキーの頃とは同じではなく、自身の打撃を向上させる方法を見つけ出した。その改善によって、MLB史上初となる2度の満票MVPを獲得する結果に至った」

との見解を示した上で、大谷選手の打撃に関する5つのポイントを紹介。

まず最初に注目したのが「球界屈指の速球打者」というポイント。

実際に大谷選手は1度目のMVPシーズンとなった2021年時点では、対フォーシームの打率は.253、長打率も.540と、それほど得意とはしていませんでした。

しかし、翌2022年には打率.305、長打率.554、さらに2023年には打率.402、長打率.818と完全攻略。

「95マイル(152.9km)以上の高速速球」に対しても、打率.164、長打率.400(21年)から打率.350、長打率.567(23年)へ向上。

さらに「ゾーン上部の高めの速球」についても、打率.222、長打率.500(21年)から打率.385、長打率.738(23年)と、これまた年を追うごとに成績をアップさせています。

アドラー記者は

「これはオオタニが成し遂げたなかで、最も劇的な進歩だろう。現在のMLBで投手が決め球に速球を使う場合、ほとんどがフォーシーム、スピード重視の高速速球、高めの速球のいずれかに分類される。
(今季の)オオタニはこの3つの速球すべてに対して、球界屈指の成績を残している。
2021年のMVPシーズンでさえ、このレベルには達していなかった」

と分析。

日本人野手が苦戦するメジャーのスピードボールに対応し、今ではMLB屈指の速球ヒッターへと成長を遂げた「打者・大谷」を称賛しました。

同記者は、2つ目のポイントとして「コンタクトヒット」に注目。

同記者は、打球の角度や速度から算出される「打率期待値=xBA」が向上していることに言及し

「オオタニは23年に初めて3割打者となり、.304でシーズンを終えた。
23年のxBA.294はキャリアハイで、21年の.266、22年の.275と、年々数字を上げている。23年の3割超えは偶然ではなく、近いうちに首位打者のタイトルを獲得するかもしれない」

と今後パワーだけでなく打率も向上していくと予想しました。

速球を弾き返すスピードとパワー、打球をヒットゾーンへ運ぶ技術。
それらに欠かせないのがアドラー記者が3つ目のポイントとしてあげる「強い打球」です。

同記者は、大谷選手が記録したエリート級の打球速度に注目。

今季の大谷選手の平均打球速度は94.4マイル(約151km)で、全打球中のハードヒット率(95マイル以上)も54.2%と、いずれもキャリアベストを更新しています。

ハードヒット率はMLB全体のトップ3%に位置し、平均打球速度に関しては全打者中トップ1%と、メジャーでも屈指のハードヒッターであることがわかります。

アドラー記者は加えて

「興味深いのは、極端に高い打球速度の頻度の多さだ。稀に110マイル(177キロ)や115マイル(185キロ)以上を定期的に記録する危険な打者がいる。オオタニはそのなかのひとりだ」

と高い打球速度を記録する頻度に驚きの声を上げています。

今季大谷選手は、現地8月29日の対フィリーズ戦において、打球速度118.6マイル(約191km)を計測するなど、爆速打球を連発。

現地6月14日の対レンジャーズ戦で左中間スタンドに放った21号本塁打は、左打者が放った逆方向弾として計測史上最速の打球速度116.1マイル(約187km)をマークしました。

強くて速い打球を最適の角度で打ち返すことで、長打を量産しているのです。

さらに同記者は

「18年はセンターから左中間方向へのホームランが多く、対照的に21年はライト方向へのホームランが多かった。そして23年はそのふたつの特徴を合わせたかのように、全方向にバランスよくホームランを打ち込んだ」

と新人王を獲得した2018年と1度目のMVPイヤーとなった2021年という「最高の自分を組み合わせた」今季の打撃を称賛しました。

加えて、今季のトレンド球となった「スイーパー攻略」についても言及。

「投手オオタニもスイーパーの名手として知られている。だからなのか、打者オオタニは相手投手のスイーパーを打ち砕くのだ。6月以降、オオタニにスイーパーを投げる投手はほとんどいなくなった」

と新しい変化球に対しても、しっかり準備、対応した点をあげています。

最後にアドラー記者は

「調整能力や新たな試みとそれを使いこなす能力が、オオタニが比類なき唯一無二の選手となった理由だろう」

と締めくくり、さらなる進化した姿を予見しました。


◆「厳しい舞台で跳ね上がる」常勝ドジャース移籍でさらなる“成績向上”も

パワー、確実性、対応力と、あらゆる面において、メジャー屈指のスーパースラッガーへと成長を遂げた大谷選手。

昨季100勝をあげたドジャースでプレーすることで、さらに飛躍すると主張する識者は少なくありません。

来季の活躍を裏付けるデータとして、大谷選手は重要な場面においてギアが上がるという点があげられます。

米データ分析会社『Codify Baseball』が

「1961年以降で得点圏にランナーを置いての通算長打率ランキング(600打席以上)」

を発表。

チャンスにどれだけ長打を放ったか?を比較した同ランキングにおいて、バリー・ボンズやマーク・マグワイアら多くのレジェンドを押しのけ、大谷選手が1位に輝きました。

メジャー最多762本塁打を記録したボンズは全体6位。

昨季ア・リーグ新記録となる今季62号本塁打を放ったアーロン・ジャッジ選手が4位。

今季までエンゼルスで大谷選手と同僚だったマイク・トラウト選手が3位。

そして2位には98年に当時のシーズン新記録となる70本塁打を記録したマグワイアが「.615」でランクインしました。

錚々たる顔ぶれが名を連ねる中、大谷選手が叩き出した長打率は脅威の「.635」。

大谷選手は、歴代のメジャー選手の中で最もチャンスに長打を放つ打者なのです。

2024年から大谷選手の前を打つことが予想されているのが、過去3度リーグ1位の得点を誇るムーキー・ベッツ選手。

大谷選手の前にランナーがたまるシチュエーションもこれまで以上に増えるでしょう。

さらに米データメディア『Baseball Reference』が公開している「状況別の打撃成績」でも、試合を左右する重要な場面でのギアアップが見て取れます。

大谷選手のメジャー6年間の通算打撃成績は、2871打席で2483打数681安打、打率.274、171本塁打、437打点、出塁率.366、OPS.922。

「High」「Middle」「Low」3段階の中で、もっとも重要度の高い場面「High Leverage」に絞ると、ちょうど500打席で403打数121安打、打率.300、出塁率419、OPS1.019まで成績が跳ね上がります。

「High Leverage」での153打点は「Medium Leverage」「Low Leverage」を含めた状況別でもトップ。警戒される中で本塁打も31本を記録しています。

また、全58敬遠のうち、30個がこの「High Leverage」の状況で記録されており、重要な場面で勝負を避けられていたことも明らかです。

大谷選手の後ろを打つと予想されているが、昨季リーグトップの59二塁打を放ち102打点を上げているフレディ・フリーマン選手。

ドジャースには、ベッツ選手、フリーマン選手以外にも「何をすれば1点でも多く得点できるか」を熟知した選手が多いので、大谷選手と勝負せざるを得ないシチュエーションが激増することが予想されます。


2024年シーズンは、ロサンゼルス・ドジャースでプレーすることとなった大谷選手。

前後には、かつてMVPを受賞したスーパースター、ムーキー・ベッツ選手やフレディ・フリーマン選手を始めとした強打者が並びます。

これまで以上にチャンスの場面で打席を迎えるでしょうし、敬遠されることも少なくなるでしょう。

そうなれば必然的に本塁打や打点も増えるはずです。

常勝チームの一員で優勝争いを続けることで、大谷選手の打撃成績は、さらに向上する可能性を秘めているのです。



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